研究課題/領域番号 |
16K00796
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研究機関 | 共立女子大学 |
研究代表者 |
丸田 直美 共立女子大学, 家政学部, 教授 (70183621)
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研究分担者 |
宮武 恵子 共立女子大学, 家政学部, 教授 (40390124)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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キーワード | 3D着装シミュレーション / 三次元人体計測 / 相同モデル化 / 衣服素材表現 |
研究実績の概要 |
3D着装シミュレーションのための50歳代女性の着装ボディの検討については、H28年度から計測していた被験者数が50名に達したので、途中段階ではあるが、被験者の相同モデル化を行った。さらに50名の平均形状モデルを作成し、別の研究で作成した20歳代女性の平均形状との比較検討を行った。しかし、平均形状にすることによって体型が平均化されてしまい、特徴のある体型が見えなくしてしまうという欠点も指摘されているため、今後は形状の主成分分析等を行って、体型の類型化を行う予定である。人体計測も継続的に行う予定である。 3D着装シミュレーションソフトへの生地データ入力については、H28年度にアパレル製品設計における主要なテキスタイル資料(ハンガースワッチ)の収集を行ったので、H29年度はその資料の力学的特性データ(曲げ特性、引張特性、厚さ、重量)をシミュレーションソフトへ入力する作業を行った。入力した生地データの代表的なものを使って、前述の研究で作成した20歳代と50歳代の平均形状モデルに衣服を着装させる試みも行った。体型が異なると着装した時の服の見え方がどのように異なるかについて、今後分析を行う予定である。生地データの入力についても継続予定である。 さらに、実際のスカートシルエットと着装シミュレーション上でのシルエットの比較検討については、実際に作成したフレアースカートのシルエットと、、3D着装シミュレーションソフトに生地データを入力して、シミュレーションしたスカートシルエットの比較を行った。その結果、着装シミュレーションにおいて、生地の素材感はよく表現されていたが、柔らかい、たれ感のある生地についてはそのたれ感の表現が出ていないことが明らかになった。この結果はH30年度日本家政学会年次大会でポスター発表予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
3D着装シミュレーションに向けての着装ボディの検討と3D上での衣服素材表現の検討の2つの観点からのアプローチで研究を進めているが、着装ボディ検討のための人体計測において、被験者がまだ予定数集まっていないことと、相同モデル化に手間取っていることが原因だと考えられる。人体計測のための被験者は、H30年度も引き続き計測を予定する。相同モデル化においては、基準とする点をどの部位に何個つけるのかという議論があり、他の研究との整合性等を検討中である。 研究分担者が担当している生地の収集・整理に関してはほぼ予定通り生地の収集作業および整理、素材特性データのソフトへの入力は終了した。今後は着装用ボディへの着装シミュレーションを行い、服の見え方などを分析予定である。
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今後の研究の推進方策 |
H30年度は、まず、人体計測の被験者数を確保することを第一に進める。人体計測データが予定数集められた後、50歳代の着装ボディ作成のための検討を行う。平均形状の作成、体型の類型化などを行ったのち、平均的なボディ、特徴のあるボディなどを検討したいと考えている。その後、そのボディに基本的な衣服を着装させ、20歳代の体型との着装状況の違いや見え方の違いなどを分析する。 H29年度に着装シミュレーションソフト「Enterprise」に人体計測から導き出した3D形状データを2D平面に展開するソフトも追加したため、いろいろな体型の人体形状からパターン構造を分析する方法も可能となり、合わせて検討する。 またH29年度に行った、フレアースカートのシルエットの検討も、生地数を追加して継続研究の予定で、素材の力学的特性についても検討を加える
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次年度使用額が生じた理由 |
まず、人体計測を行う。被検者数を確保しその謝金として使用する。その後は計測データの分析を行う。 5月に、実際のスカートシルエットと着装シミュレーション上でのシルエットの比較検討の結果を学会発表予定である。秋までに人体計測データについての結果をまとめ学会発表を予定しており、そのための交通費として使用する予定である。
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