研究課題/領域番号 |
16K00818
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研究機関 | 静岡県立大学 |
研究代表者 |
市川 陽子 静岡県立大学, 食品栄養科学部, 教授 (50269495)
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研究分担者 |
下位 香代子 静岡県立大学, 食品栄養科学部, 教授 (10162728)
合田 敏尚 静岡県立大学, 食品栄養科学部, 教授 (70195923)
望月 和樹 山梨大学, 大学院総合研究部, 教授 (80423838)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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キーワード | フラボノイド / 抗酸化活性 / 調理方法 / 保存時間 / 血中濃度 |
研究実績の概要 |
本研究では、疾病予防効果が期待されるフラボノイドの食品機能性を活用した食事を推奨するための科学的根拠の蓄積を目的に、平成30年度は、(1)フラボノイドなどの機能性成分に対する調理終了後から時間経過による影響、(2)調理操作によるフラボノイド類の体内動態の変化についてヒト介入試験を実施し検討した。 (1)機能性成分に対する調理終了後から時間経過による影響では、調理操作を行ってから測定までの時間を変えて測定を行った。対象は、玉ねぎ、豆腐、大豆、黒豆とし、調理操作は生、炒め、煮(+煮汁)、電子レンジ調理とした。また測定するまでの保存時間を調理終了後0時間、24時間、48時間の3点に設定し、保存は4℃の冷蔵庫内にて行った。食材の各保存時間におけるフラボノイド含有量、総ポリフェノール量、抗酸化活性を測定した。その結果、豆腐の煮汁以外では、時間経過による有意な変化は確認されなかった。このことから、調理から喫食まで時間のかかる中食であっても、フラボノイドの機能性は保持されていることが示唆された。 (2)調理操作によるフラボノイド類の体内動態の検討では、玉ねぎ200 gに生、炒め、煮(+煮汁)、電子レンジ調理を加えたものを試験食とした。試験は、2日間のウォッシュアウト後、3日目の朝食に試験食の調理操作を加えた玉ねぎを摂取し、朝食摂取前、摂取後1、2、3、4、6時間に肘正中皮静脈より採血を行った。血中フラボノイド濃度は、血漿を酵素加水分解処理し、酢酸エチルにて抽出後、LC/MSを用いてフラボノイドアグリコンとして測定した。その結果、個人内における調理法と血中ケルセチン濃度の間に有意な変化はみられなかった。また、血中ケルセチン濃度、ピークまでの到達時間についても個人差が大きく調理法による有意差は確認されなかった。
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