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2017 年度 実施状況報告書

高い抗酸化能を有するムクナのアルツハイマー型認知症に対する予防効果の検証

研究課題

研究課題/領域番号 16K00824
研究機関女子栄養大学

研究代表者

小西 史子  女子栄養大学, 栄養学部, 教授 (50170288)

研究分担者 香西 みどり  お茶の水女子大学, 基幹研究院, 教授 (10262354)
古庄 律  東京農業大学, 応用生物科学部, 教授 (50238680)
研究期間 (年度) 2016-04-01 – 2019-03-31
キーワードtau蛋白質の凝集阻害作用 / 老化促進マウスSAMP8 / Step-Through(受動的回避反応)実験
研究実績の概要

加齢と共に増加する一般的なアルツハイマー病の場合、年齢依存的にtau蛋白質が蓄積していくことが知られている。そこで、tau蛋白質の凝集に対して、ムクナが阻害するかどうかをin vitroの系で調べた。ムクナ生豆及び煮豆の0.4Mリン酸バッファー(pH4.0)抽出液を用いて、tau蛋白質の凝集阻害実験を行ったところ、L-DOPAの濃度依存的な阻害がみられた。この結果から、ムクナはtau蛋白質の凝集を阻害することにより、アルツハイマー病の予防に働くことが期待された。
これをin vivo で証明するために、12週齢の老化促進マウスSAMP8及びその対照動物であるSAMR1を用いて、34週齢までムクナ粉末を含む試料(低摂取群:L-DOPA0.6mg/体重1kg及び高摂取群:L-DOPA6mg/体重1kg)で23週間飼育した。試験試料投与開始週からY字迷路(自発的交替行動)試験、およびStep-Through(受動的回避反応)実験を毎週実施し、ムクナ摂取群と非摂取群で比較を行った。また、試験開始23週目に解剖し脳を摘出後、ELISA法で脳内のTotal tauおよびPhosphorylated tauを測定した。その結果、SAMP8マウスにおいてムクナ摂取群は非摂取群よりも自発的交替行動試験においては差が観られなかったが、受動的回避反応試験においては非摂取群に比べ最大反応潜時に到達する週が早い傾向にあった。受動的回避反応試験からの結果からだけではあるが、ムクナ摂取は学習能力に予防的な影響を及ぼすことが考えられた。また、タウ蛋白質のリン酸化に及ぼすムクナの影響については培養細胞を用いた更なる実験が必要と考えられた。
ムクナを用いた調理品の開発では、ハンバーグと麺の調製を試みた。その結果、ハンバーグでは、ムクナペーストを牛肉に対して80%に加えたものが、最も高い評価を得た。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

1) ムクナの生及び煮豆がtau蛋白質の凝集を阻害することをin vitroで証明することができた。
2) マウスの飼育初期段階からムクナを12週齢から34週齢まで23週間摂取させたところ、ムクナ摂取群は非摂取群に比べて受動的回避反応試験において早い段階で最大反応潜時に到達したことから、ムクナ摂取は学習能力に予防的な影響を及ぼすことが推察された。
3)調理品として、ムクナペーストを用いたハンバーグを調製するレシピを開発することができた。

今後の研究の推進方策

タウ蛋白質のリン酸化に及ぼすムクナの影響について、培養細胞を用いた実験を行う。
老化促進マウスSAMP8の代わりに、アルツハイマー病モデルマウスである3xTg-ADマウスを用い、飼育期間を3~14月齢と延長してムクナ摂取の影響を検討する。方法はマウスの脳の組織切片を作り、アミロイドβの沈着を比較する、脳のホモジネートを用い、アミロイドβ、tau蛋白質を定量して比較する。ムクナ投与開始週からY字迷路(自発的交替行動)試験、およびStep-Through(受動的回避反応)実験を定期的に実施し、ムクナ摂取の影響を検討する。調理品を開発し、抗酸化性測定を行う。

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公開日: 2018-12-17  

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