研究実績の概要 |
老化促進マウス(SAMP8)を、対照群、ムクナ豆粉末低投与群、ムクナ豆粉末高抗投与群の3群に分けた。ムクナ豆粉末低投与群には、ムクナ粉末を1.5g/体重kgに調製した飼料を、ムクナ豆粉末高投与群には、ムクナ粉末を15g/体重kgに調製した飼料を投与した。それぞれの飼料におけるL-DOPA含量は、0.6mg/体重kgおよび6mg/体重kgである。飼育期間は、11週齢から40週齢までである。飼育後、脳を取り出し、N-PER試薬を用いてたんぱく質を抽出、遠心後、上清を用いて、ウェスタンブロッティングを行い、タウタンパク質のリン酸化の程度を調べた。用いた抗体は、抗リン酸化タウS199,S262,T181マウスモノクローナル抗体である。その結果、タウタンパク質のセリン262,スレオニン181のリン酸化の程度には、群間で有意な差は認められなかった。しかし対照群に比べ、ムクナ豆粉末高投与群においてタウタンパク質セリン199におけるリン酸化が有意に抑制されていた。このことから、ムクナ粉末の投与は、老化によるタウタンパク質リン酸化の増加を抑制することが示唆された。 ムクナ豆を用いた加工食品の調製では、ムクナ豆焙煎粉末を小麦粉に0,5,10,15,20%に添加した麺を作成した。その結果、ムクナ豆焙煎粉末の添加量の増加とともに、抗酸化能が上昇した。また、これらに重曹を添加すると中華麺になり、風味が増したが、抗酸化能は低下した。
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