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2018 年度 実施状況報告書

脳神経活動に対する、食事による口腔内への圧刺激の意義の検証

研究課題

研究課題/領域番号 16K00829
研究機関東京医療保健大学

研究代表者

小城 明子  東京医療保健大学, 医療保健学部, 教授 (30412927)

研究分担者 細田 明美  東京医療保健大学, 医療保健学部, 講師 (40449418)
竹内 由里  松本歯科大学, 歯学部附属病院, 管理栄養士 (40534441)
柳沢 幸江  和洋女子大学, 家政学部, 教授 (60191160)
今泉 一哉  東京医療保健大学, 医療保健学部, 教授 (50454179)
研究期間 (年度) 2016-04-01 – 2020-03-31
キーワードテクスチャー / 嚥下調整食 / 咀嚼 / 口腔内刺激 / 脳神経活動
研究実績の概要

成人中・高年者および若年者を対象とした、口腔内刺激が異なるサンプル(テクスチャーサンプル)を摂取した際のデータを解析し、その成果を学会で報告した。前年度に引き続き、テクスチャーサンプルは紅茶飲料を調整した、噛むハードゼリーS1、舌でつぶすソフトゼリー(S2)、飲むとろみ液(S3)200gとし、注意機能の評価も注意機能はD-CAT(Digital Cancellation Test)を用い,作業量,見落とし率で評価した。
注意機能は、両群とも「噛む」「舌でつぶす」「飲む」のいずれの摂食行為においても、より向上した。しかし、若年群は「噛む」行為後の注意機能の向上が他の食べ方より有意に高く、また中・高年群よりその効果が高かった。一方、中・高年群では、「飲む」が「噛む」より有意に高く、各サンプルの摂食による効果が、年齢群によって異なる特性となった。
口腔機能の幅の大きい中・高年群において、注意機能の変化と年齢、口腔機能(咬合力、舌圧)との関係を解析したところ、「舌でつぶす」行為後の見落とし率は、咬合力と正の、舌圧と負の関連が見られた。S2は咀嚼が不要で、捕食後、舌で口蓋に押しつけて食塊形成し、咽頭へ移送する物性のサンプルである。舌圧が低いほど、「舌でつぶす」行為後の見落とし率が高くなることから、口腔内刺激との関連が考えられた。なお、データ取得中の観察から、中・高年群は比較的口腔内に保持する時間が若年群に比べて長い印象があったため、補足データを取得し、今後の考察につなげたい。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

4: 遅れている

理由

データ取得可能時期が業務の都合、限られており、その時期に合わせた対象者のリクルートが難航した。そのため、データ取得を予定通り遂行することができず、遅れが生じた。

今後の研究の推進方策

データ取得に用いた舌でつぶすソフトゼリーサンプル(S2)の摂取方法について、若年群と中・高年群で異なるかどうか、補足データを取得し、これまでの結果の考察につなげる。また、若年群と中・高年群とでは異なる特性が見られたことから、その中間層(30-60歳)を対象者に加え、口腔機能との関連を解析する。
加えて、これまで「噛む」「舌でつぶす」「飲む」の単一的な刺激を与えた際の効果についてデータ取得を行ってきたが、今後「噛む+飲む」の複合刺激の効果についても検討する。

次年度使用額が生じた理由

データ取得可能時期が業務の都合、限られており、その時期に合わせた対象者のリクルートが難航した。そのため、データ取得を予定通り遂行することができず、遅れが生じた。
遅延していたデータ取得に関わる費用として、サンプル調整用の食材料費や認知機能の評価に用いるD-CAT検査用紙などを支出予定である。また、得られた成果の報告などに関わる支出も予定している。

  • 研究成果

    (6件)

すべて 2019 2018

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (4件) (うち招待講演 1件)

  • [雑誌論文] 咀嚼・咬合状況と食品別摂取量との関連についての検討~若年者を対象として~2019

    • 著者名/発表者名
      栗岡優希、尾崎哲則、山田恒代、牟田真理子、柳沢幸江、小川万紀子
    • 雑誌名

      日本咀嚼学会雑誌

      巻: 29 ページ: 8-16

    • 査読あり
  • [雑誌論文] プチプチ食感による咀嚼誘発性の検討2018

    • 著者名/発表者名
      柳沢幸江,小谷哲司,淡嶋恭子,杉山洋
    • 雑誌名

      和洋女子大学紀要

      巻: 58 ページ: 119-128

  • [学会発表] 口腔内での圧力測定を用いた嚥下調整食の評価の試み2018

    • 著者名/発表者名
      今泉 一哉,新井 慎司,小城 明子
    • 学会等名
      LIFE2018
  • [学会発表] 噛む、舌でつぶす、飲むの摂食行為は脳神経活動の活性化をもたらすか 第2報2018

    • 著者名/発表者名
      竹内由里,小城明子,細田明美,柳沢幸江
    • 学会等名
      第24回日本摂食嚥下リハビリテーション学会学術大会
  • [学会発表] 噛む,舌でつぶす,飲むの摂食行為は脳神経活動の活性化をもたらすか 第3報 若年群と中・高年群の比較2018

    • 著者名/発表者名
      柳沢幸江,竹内由里,細田明美,小城明子
    • 学会等名
      日本咀嚼学会第29回学術大会
  • [学会発表] 健康寿命の延伸を目指した咀嚼の観点からの食事の在り方2018

    • 著者名/発表者名
      柳沢幸江
    • 学会等名
      第28回日本病態生理学会 教育シンポジウム講演
    • 招待講演

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公開日: 2019-12-27  

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