健常若年成人を対象に3種ゼリー中の果汁風味(リンゴ・オレンジ・イチゴ)の検出作業における体性反応(瞬き)と自律反応(心拍)を調べた。検出作業前に比べて、瞬きおよび心拍間隔は統計的に有意な減少を示した。また、検出指示前の瞬き頻度が多いほど、検出中の瞬き間隔が狭まった。心的緊張が強くなると瞬き間隔は狭まるとされるので、風味検出作業中の瞬き間隔減少から心的緊張が強まった可能性が示唆された。他方、心的緊張が強まると心拍数が増すとされ、検出作業中に心拍間隔の減少から心的緊張が強まった可能性が示唆された。以上より、風味検出作業に対して体性反応と自律反応は心的緊張の増強を反映すると考えられた。
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