研究課題
基盤研究(C)
食経験による味覚変化の積極的な介入試験をヒトに対して行うことはできない。そこで、動物行動学実験を利用して、塩味増強を引き起こす香りの特徴を調べた。その結果、子どもの頃に経験した香と味の連合学習が強く影響していることが示された。ヒトでは塩味を想起しないバニラ由来香気やオレンジ由来香気でも、連合学習さえすれば、塩味増強に役立つことを明らかにした。発酵食品の中では、味噌由来香気に安定した塩味増強作用が見られることを明らかにした。
栄養生理学
食経験による味覚変化の積極的な介入試験をヒトに対して行うことはできない。本研究課題で開発した実験動物行動学試験モデルでは、食経験を自在にコントロールすることが可能である。また、本研究課題により大人になってからの塩味の増強に子どもの頃の経験が大きく影響すること、発酵食品の中で今まで注目されてきていなかった味噌の香りに安定した塩味増強作用がみられることが明らかとなった。これらの知見は、今後の減塩食の開発に応用でき、しいては、日本人の健康長寿の一助につながっていくことが期待できる。