生活スタイルの変化に伴い、 わが国では平均寿命が過去最高を更新している。日本人の平均寿命が戦後急速に伸びた理由として、感染症などの急性期疾患の減少があげられる。一方で、近年増加している死因として、がんや心疾患などが関連した「生活習慣病」が大きな問題となっている。実際、生活習慣病が関連する死因は、日本人の死因の約50~60%を占めている。さらなる問題点として生活習慣病は、直接的な死因のみならず、重症化や合併症、生活機能の低下・要介護など生活の質(QOL)の低下の原因ともなる。すなわち、慢性炎症が関わる生活習慣病の予防や治療につながるメカニズムを解明することは、健康寿命を延伸するために急務である。
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