本研究の目的は,GABA摂取により観察される脳タンパク質合成の増加のメカニズムを明らかにすることである。脳タンパク質合成速度は,対照群,PTU(甲状腺機能低下剤)群いずれもGABA摂取で有意に増加した。GABAを静脈注射でなく食餌に添加した時のみ,血中の成長ホルモン濃度が有意に増加した。グレリン受容体阻害剤[Lys3]-GHRP-6の事前投与で,血中成長ホルモン濃度へのGABAの影響は消失した。以上の結果から,GABAによる脳タンパク質合成の増加のメカニズムには,GABAが体内グレリン濃度を上昇させることにより成長ホルモン分泌を増加させ,脳タンパク質合成を促進する可能性が示唆された。
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