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2016 年度 実施状況報告書

食事性植物ステロールによる腸管コレステロール吸収抑制機序の解明

研究課題

研究課題/領域番号 16K00864
研究機関埼玉医科大学

研究代表者

中野 貴成  埼玉医科大学, 医学部, 講師 (20406474)

研究分担者 井上 郁夫  埼玉医科大学, 医学部, 教授 (60232526)
研究期間 (年度) 2016-04-01 – 2019-03-31
キーワード植物ステロール / コレステロール / 脂質異常症
研究実績の概要

血漿中コレステロール濃度の上昇は心疾患イベントリスクと相関する。この上昇は遺伝性、または食習慣によって影響を受ける。腸管は食事性コレステロールの吸収の場である。この腸管は、一方で、コレステロールを排出する組織であることが近年明らかにされてきた。
我々は腸管におけるコレステロール吸収が同時に生じるこの対向的な排出により調節されていることを昨年報告した(Nakano T, Inoue I, Takenaka Yet al. . Ezetimibe Promotes Brush Border Membrane-to-Lumen Cholesterol Efflux in the Small Intestine PLoS ONE. 2016;11:e0152207)。この排出の増加によってコレステロールの吸収は抑制されることを上記論文で示した。
植物ステロールはコレステロール吸収を抑制することが知られている。植物ステロールが腸管からのコレステロール排出にどのように影響するのかを検討した。我々が開発したluminal perfusion assay にて植物コレステロールが腸管内に存在すると、腸管壁からのコレステロールの排出がおよそ50%増加することを認めた。植物ステロールはLXRなどの核内受容体に作用して、コレステロール排出を促進することが知られているが、本研究では急性に植物ステロールを暴露することで、このような可能性を排除した。これらの結果は、植物ステロールがコレステロール排出を促進することでコレステロール吸収を抑制していることを示した。本内容をまとめ、現在論文投稿中である。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

1: 当初の計画以上に進展している

理由

これまでの研究で、植物ステロールがどのようにしてコレステロール吸収を抑制するのか、新たな視点から説明する結果を得た。現在論文投稿を進めており、順調に課題完了に向け進んでいる。

今後の研究の推進方策

植物ステロールや他薬剤によるコレステロール吸収阻害は、高コレステロール血症の改善だけでなく、血中のトリグリセリド濃度も減少させる。この副次的効果については報告がされているものの、その機序については不明である。そこでその機序解明についてコレステロール吸収阻害との観点から検討を進める予定である。

次年度使用額が生じた理由

当初の研究計画から実験群を減らして実施したため。

次年度使用額の使用計画

植物ステロールがコレステロールの吸収を抑制する生理学的機序は確認できた。この現象を分子レベルで確認するべく、分子生物学的な実験アプローチを計画している。その計画に予算を充当する予定である。

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公開日: 2018-01-16  

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