高血圧の改善効果を調べるために適したマウスを選抜した結果,食餌誘発性肥満モデルマウスが適することが分かった。次に,β-グルカン量の異なる穀物で比較した結果,β-グルカン量の多い大麦に血圧低下作用が認められた。さらに,大麦β-グルカン含量の異なる2種類の大麦をマウスの飼料に添加し,大麦β-グルカンの高血圧改善作用メカニズムについて検討を行った。その結果,収縮期血圧,拡張期血圧は対照群に比べて高β-グルカン大麦群で有意に低値を示した。以上より,大麦の血圧低下作用はレニンーアンジオテンシンーアルドステロン系よりも腸内細菌叢―短鎖脂肪酸-短鎖脂肪酸受容体を介した作用が寄与している事が示唆された。
|