研究実績の概要 |
前年度に「空腹時乳酸値は、独立してGPTに正に、ビリルビンに負に関連する」ことを報告(Ishitobi M, Hosaka T, et al. Diabetes Res Clin Pract. 2019 Mar;149:1-8)から、肝障害の指標としての新規血清マーカーとなりうることが推測された。問題点として、サンプルサイズが100例程度であり、最終年度は、異動した施設が医療施設を持たないため、異動した地域でフィールドの開拓をおこない協力診療所にて、再度倫理委員会承認後患者登録を開始している。病院糖尿病患者に比べて、地域診療所では痩せた高齢糖尿病患者がほとんどで、母集団の違いによる影響も含めて統計学的に解析をおこなっている。慎重に判断して客観的にクリアーできれば、既存のサンプルを合致させての解析や母集団違いによっても、同様の結果となるかの解析をおこなう予定であるが、新規に30名程度にとどまっており、医師会、地域支援病院の協力も得る方向で、対応をおこなっている。前向き臨床研究として、エコー上脂肪肝のある患者で同意のもと積極的な生活習慣介入により、肝機能、脂肪肝改善後に乳酸値とGPT, ビリルビンとの関連の検討のため、該当患者のフィールドの開拓に向けて消化器内科の先生と臨床研究実施に向けた議論を開始している。 In vivoでの解析では、飽和脂肪酸でのインスリン抵抗性メカニズムとAMPKとの関与を報告(Morita N, Hosaka T et al, Journal of Diabetes Research ID9256482 2018)後、現在も乳酸シグナルの関与について同時乳酸添加で、乳酸レセプター、レセプター下流セカンドメッセンジャー蛋白、酵素の発現、解析と飽和脂肪酸でのインスリン抵抗性メカニズムへの関与について解析と、飽和脂肪酸でのインスリン抵抗性の検討を継続している。
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