研究課題/領域番号 |
16K00869
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研究機関 | 順天堂大学 |
研究代表者 |
比企 誠 順天堂大学, 医学部, 助教 (70643691)
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研究分担者 |
宮崎 哲朗 順天堂大学, 医学部, 准教授 (30600473)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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キーワード | 虚血性心疾患 / 心筋脂肪酸代謝 / MRS法 / 心筋リモデリング / 食事運動療法 |
研究実績の概要 |
虚血性心疾患では心筋内脂肪酸代謝が低下し、また脂肪酸代謝低下と心室壁運動低下は関連する。本研究の目的は、虚血性心疾患における虚血再灌流療法と心筋脂肪酸代謝との関連を、新たな非侵襲的心筋内中性脂肪測定方である1H-magnetic resonance spectroscopy (MRS)法を用いて検討、さらには、食事、脂肪酸摂取による心筋内中性脂肪量への影響を基礎的・臨床的に検証し、脂肪酸代謝が低下した虚血心筋に対する食事プログラムを含む有効な介入方法を確立、新たなかつ効果的な治療法の開発に繋げることである。 本年度は、引き続き冠動脈疾患にて経皮的冠動脈形成術を施行した患者のデータベース作性、血液検体の保存、MRSによる解析を実施している。また左前下降枝完全閉塞症例での心筋内中性脂肪測定に関しては引き続き施行している。これらの症例を前向きに登録し、完全閉塞に対する血行再建術施行後8ヶ月で再測定を施行、虚血再灌流と心筋脂肪酸代謝との関連を明らかにする予定である。また左室拡張末期圧と心筋内中性脂肪との関連を検討するため大動脈弁狭窄症患者に対する経皮的大動脈弁置換術前後でのMRS法による測定を開始している。これらの研究の途中経過については海外学会(Euro CMR 2017, CMR 2018)において報告を行っている。さらに中性脂肪蓄積心筋症に対するMRS法による心筋内中性脂肪測定、治療介入による影響について検討を開始している。 動物実験に関しては心筋梗塞モデルマウスを作成し、虚血再灌流と心筋内中性脂肪量との関連について検討中である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
冠動脈疾患を含む心疾患における心筋内中性脂肪測定は順調である。また左心室拡張末期圧の上昇と心筋内中性脂肪量の関連を検討するために、大動脈弁狭窄症患者に対する経皮的大動脈弁置換術前後でのMRS法による検討を開始している。 動物実験に関しても、急性心筋梗塞モデルマウスの心筋内中性脂肪、リモデリング、心筋内脂肪酸代謝に対する食餌運動療法の効果について引き続き検討する予定である。
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今後の研究の推進方策 |
臨床研究においては予定通り、心疾患患者における心筋内中性脂肪測定を継続、解析していく。当初の研究目的では虚血再灌流が心筋内中性脂肪に与える影響を検討することになっているが、それに加え心臓リハビリテーションの影響、大動脈弁狭窄症患者に対する経皮的大動脈弁置換術前後での検討を開始している。 動物実験に関しても、急性心筋梗塞モデルマウスの心筋内中性脂肪、リモデリング、心筋内脂肪酸代謝に対する食餌運動療法の効果について引き続き検討する。
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次年度使用額が生じた理由 |
(理由)当該年度に関しては、当初科学研究費から捻出する予定であった物品、消耗品に関して既存の物品の流用が可能であったこと等から、その額に相当する繰越し金が発生した。
(使用計画)物品費、人件費に関してはデータベース作成補助者に対する人件費として主に使用する予定である。旅費に関しては国内外の学会発表に使用、また研究最終年度である、論文等に対する英文校正費として使用する予定である。
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