研究課題/領域番号 |
16K00872
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研究機関 | 東京慈恵会医科大学 |
研究代表者 |
目崎 喜弘 東京慈恵会医科大学, 医学部, 講師 (40431621)
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研究分担者 |
松浦 知和 東京慈恵会医科大学, 医学部, 教授 (30199749)
岩本 武夫 東京慈恵会医科大学, 医学部, 教授 (90568891)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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キーワード | ビタミンA / 星細胞 / 肝臓 |
研究実績の概要 |
ビタミンA 貯蔵細胞である肝星細胞は、肝線維化の責任細胞でもあり、肝星細胞におけるビタミンA 貯蔵の調節が肝線維化の制御に結びつく可能性が示唆されている。肝星細胞におけるビタミンA取り込み関連因子のスクリーニングに用いるため、ラット肝臓より肝星細胞の単離と同定を行った。新しい所属研究施設とこれまでの所属研究施設とで、動物飼育室、動物実験室、冷却遠心機、動物細胞培養装置などの配置が大きく異なるため、新しい施設に対応した実験手技の最適化を行った。肝星細胞単離の具体的な手法は以下の通りである。ラット肝臓の細胞を門脈からのコラーゲナーゼ灌流により分散させた。次に細胞けん濁液中の実質細胞と非実質細胞を低速遠心により分離した。さらに脂質滴を含み比重の小さい肝星細胞を、パーコール密度勾配遠心により単離した。得られた肝星細胞画分の純度は、中間径フィラメントの一種であるデスミンやビメンチンに対する抗体を用いた免疫染色により評価した。さらに、ポリスチレンディッシュ上での培養に伴う肝星細胞の活性化は、抗α平滑筋アクチン抗体を用いた免疫染色により評価した。さらに、単離した肝星細胞の脂質滴に貯蔵されているビタミンAを自家蛍光により確認した。その結果、これまでの所属研究施設と同等の品質の肝星細胞を安定して単離する手技を確立することができた。このようにして単離した肝星細胞を用い、これまで未知であったレチノイン酸受容体と共局在する細胞内小器官を見出した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
新しい所属研究施設で肝星細胞を安定して単離する手技を確立することができたため。また、このようにして単離した肝星細胞を用い、レチノイン酸受容体と共局在する細胞内小器官を見出すことができたため。
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今後の研究の推進方策 |
単離したラット肝星細胞からmRNAを抽出し、cDNAライブラリを作成する。継代を繰り返してビタミンA 脂質滴を失った活性化肝星細胞からもmRNAを抽出し、同様にしてcDNA ライブラリを作成する。これらのcDNA ライブラリを比較し、ビタミンA 貯蔵の有無によって発現量が変化する遺伝子の同定を試みる。
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次年度使用額が生じた理由 |
次年度使用額の2,314円は端数として繰り越したものである。
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次年度使用額の使用計画 |
消耗品費に充てる予定である。
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