研究課題/領域番号 |
16K00887
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研究機関 | 中村学園大学 |
研究代表者 |
河手 久弥 中村学園大学, 栄養科学部, 教授 (20336027)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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キーワード | 骨粗鬆症 / 妊娠 / ビタミンD / ホルモン |
研究実績の概要 |
1. 妊娠・授乳関連骨粗鬆症に関するリスク因子の評価 福岡山王病院を受診した妊娠14週までの満20歳以上の妊婦を対象に、研究参加についての同意を取得した上で、踵骨超音波検査、生活調査(日光曝露時間を含む)、食事摂取頻度調査法を用いた栄養調査、身体測定、体脂肪率測定、血液検査などを行っている。平成29年4月末現在で、70名の妊婦の同意を得ており、平成29年度内には、目標研究対象者数の100名に到達できるものと考えられる。
2. 若年女性の踵骨超音波測定値に寄与する因子の検索 本学で毎年行っているヘルスチェックのデータを用いて、踵骨超音波測定値と関連する因子の検索を行った。本学女子学生856名を、踵骨超音波測定値(OSI%YAM)で4群(80%以上90%未満, 90%以上100%未満,100%以上110%未満, 110%以上)に振り分け、80%以上90%未満の群と110%以上の群の2群間の比較を行った。 踵骨超音波測定値80%以上90%未満群に対し、110%以上群では、最高血圧、最低血圧、身長、体重、BMI、ウエスト周囲径、総コレステロール、アポ蛋白B、LDL-C、高感度CRP、油脂摂取量、乳製品摂取量、動物性脂質摂取量、筋運動、身体活動レベル、休日の日光曝露時間の項目でいずれも有意に高く、心拍数のみ有意に低かった(p<0.05)。さらに重回帰分析を行った結果、BMI(p<0.01)と乳製品摂取量(p=0.04)は、踵骨超音波測定値と有意な正の相関を認め、心拍数(p<0.01)は、踵骨超音波測定値と有意な負の相関を認めた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
1: 当初の計画以上に進展している
理由
平成28年6月より、妊婦の登録を開始したが、福岡山王病院を受診する妊婦の数と、研究参加に同意する人の割合を考慮すると、研究対象者の登録数はそれほど伸びないと考えていた。ところが実際には、自分自身の骨の状態に関して興味を持っている妊婦が予想外に多く、登録者数は当初の予測を上回るペースで増えている。途中で研究参加を辞退する人も、現時点ではそれほど多くない。平成29年4月末現在で、70名の妊婦の同意を得ており、平成29年度内には、目標研究対象者数の100名に到達できるものと考えられる。 また、ヘルスチェックデータを用いた若年女性の踵骨骨超音波値と関連する因子の解析では、BMI、乳製品摂取量、心拍数が有意に相関することが明らかになり、今後は過去にさかのぼって対象者数を増やして更なる解析を行う。
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今後の研究の推進方策 |
1. 引き続き福岡山王病院にて、研究参加の同意を得た妊婦に対して、踵骨超音波検査、生活調査(日光曝露時間を含む)、食事摂取頻度調査法を用いた栄養調査、身体測定、体脂肪率測定、血液検査等を、出産後12ヵ月まで経時的に行っていく。研究対象者数が100名を超えた時点で、踵骨骨超音波値と関連する因子に関して探索を行う。
2. 若年女性において踵骨超音波測定値と関連する因子をより詳細に調べるために、過去20年間の本学学生のヘルスチェックのデータを用いて解析する。また、学生個人の3年間の踵骨超音波測定値の変化と、その変化に関与する因子を探索する。
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次年度使用額が生じた理由 |
本研究に関しては、妊娠14週目までの妊婦を登録し、その後、妊娠後期、出産後1ヵ月、4ヵ月、12ヵ月の計5回、踵骨骨超音波検査、栄養調査、血液検査を行っていく予定である。初年度は、初回登録時の調査から妊娠後期の2回目の調査まで、6ヵ月程度間隔が空くため、血液検査の回数は少なかったが、妊娠後期から出産後4ヵ月までは、6ヵ月の間に3回血液検査を行う必要がある。次年度以降は、血液検査の回数が増えるため、血液検査費の大幅な増額が予想される。
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次年度使用額の使用計画 |
次年度に関しては、血液検査費に対する支出を中心に研究費を使用する。
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