研究課題/領域番号 |
16K00897
|
研究機関 | 国立保健医療科学院 |
研究代表者 |
石川 みどり 国立保健医療科学院, その他部局等, 上席主任研究官 (90412874)
|
研究分担者 |
野末 みほ 常葉大学, 健康プロデュース学部, 准教授 (20421836)
横道 洋司 山梨大学, 大学院総合研究部, 准教授 (20596879)
横山 徹爾 国立保健医療科学院, その他部局等, 部長 (70282770)
|
研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2020-03-31
|
キーワード | 高齢者 / 食事 / 栄養素 / 習慣的摂取量 / 個人内・個人間変動 / 加齢 |
研究実績の概要 |
【目的】本研究では、高齢者の年齢による栄養素の習慣的摂取量の変化を明らかにすることを目的とした。 【方法】①高齢期における加齢に伴う栄養素摂取量、栄養状態に関する先行研究および国際機関報告書のレビューを実施し、経年的変化を把握する重要性を検討した。②独居高齢者を対象にした既存の食事調査(4県6市町における男性161名、女性332名の平日2日間の食事及び食生活習慣の項目)を用いて再解析を実施した。栄養素の習慣的摂取量及び個人内・個人間変動の推定には、AGEVAMODE法を用いた。③同じ調査データを用いて、自律している後期高齢者の食生活の特徴を分析した。 【結果】①高齢期は加齢に伴い身体・認知機能の老化による栄養素摂取量、栄養状態の変化がみられること、高齢期の食事・食行動の経年的変化の把握の重要性及び老化を想定したライフコースの政策戦略が必要であることを明らかにした。②栄養素の習慣的摂取量は、たんぱく質(男性と女性)、カリウム、カルシウム(女性)の通常の摂取量は加齢とともに減少したが、食塩摂取量は変化していなかった。 さらに、各栄養素の個人内および個人間変動は、性別や加齢によって異なった。 女性におけるタンパク質(P = 0.037)および男性におけるカルシウム(P = 0.008)の個人内変動は、加齢とともに有意に減少した。 ③ひとり暮らしの後期高齢者には主観的健康感が良好な者が多く、その因子として、食事を自分で作る、野菜を栽培する等、自律した食生活の能力に強く関連していた。 【結論】高齢期には、加齢に伴う身体機能の変化があるものの、主観的健康感や自律した食生活が重要である。また、年齢による栄養素の習慣的摂取量の変動があり、男女で個人内・個人間変動は異なることが示唆された。
|