• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2017 年度 実施状況報告書

積極的栄養治療による軽度栄養不良HIV陽性者の病態改善効果の検討

研究課題

研究課題/領域番号 16K00903
研究機関地方独立行政法人大阪市民病院機構大阪市立総合医療センター(臨床研究センター)

研究代表者

白野 倫徳  地方独立行政法人大阪市民病院機構大阪市立総合医療センター(臨床研究センター), 臨床研究センター, 医長 (00727638)

研究分担者 羽生 大記  大阪市立大学, 大学院生活科学研究科, 教授 (40301428)
庄司 久美子 (加藤久美子)  大阪市立大学, 大学院生活科学研究科, 学外研究員 (50721825)
研究期間 (年度) 2016-04-01 – 2019-03-31
キーワードHIV / AIDS / 低栄養 / CD4陽性リンパ球数 / CD4カウント / CONUT / レプチン
研究実績の概要

当研究グループの昨年度の報告では、アルブミン(Alb)、総リンパ球数(TLC)、総コレステロール(T-chol)の3 つの血液生化学検査値を組み合わせた栄養スクリーニング指標であるControlling Nutritional Status(CONUT)を用い、HIV 陽性者の低栄養の評価を行った。
今年度は、CD4 countが500/mm3未満かつ潜在的な軽度低栄養の HIV 陽性患者を妥当性の証明されている評価法で的確に抽出すること、経腸栄養剤により3ヶ月間の栄養介入を行うことで栄養状態だけでなく免疫能を表すCD4 countが改善するかどうかをランダム化クロスオーバーデザインにより検証した。主要評価項目は介入期間後のCD4 countの増加(30%以上)、副次評価項目はCONUTの改善(1以下への低下)、糖・脂質代謝指標の変化とした。
結果として、介入群では3ヶ月時の結果よりAlb、T-chol、CONUT スコア、TLC、CD4 countは増加しなかった。介入群患者は栄養付加により、食事からの摂取エネルギー量が減った可能性が考えられた。一方、対照群では、3ヶ月時の結果よりAlb、T-cholは変数なしであったが、CONUTは介入群よりも改善傾向を示し、TLCは増加傾向であった。また、CD4 countは増加傾向を示した。リクルート時に研究の目的として低栄養と免疫状態について簡単に説明しているため低栄養であることを指摘された対照群患者は、自らの食生活を改善し、食事摂取量が増加した可能性が考えられた。
現代のHIV 陽性者は過栄養と低栄養の問題を抱える者の両方がおり、画一的な栄養介入では通用しない。潜在的な低栄養患者を抽出し、特定のリスクを持つ者に積極的に介入を行うテーラーメード栄養療法の確立につながるものである。
以上の結果は現在論文にまとめ投稿準備中である。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

目標症例数は適切なサンプルサイズの計算により、90例(介入群45例、対照群45例)と想定していた。約70例がリクルートされたが、データ欠損例があり、実際解析できるのは平成30年3月末時点で50例程度と見込まれる。また、データ解析に要する時間を考慮すると平成30年度前半にはリクルートを終了する必要がある。

今後の研究の推進方策

アディポサイトカインである脂肪細胞から分泌されるレプチンが、CD4細胞の分化及び増殖に関連していると報告されており、今後保存血清にてレプチンを測定し、体組成測定の結果も併せて、体脂肪量とレプチン量及びCD4カウントとの関連を検討する。
また、対象者のリクルートを引き続き行い、対象者数を増やす。

次年度使用額が生じた理由

引き続き対象患者をリクルートし、経口栄養剤を投与、送付する必要があるため。
また、レプチンも測定しその関連をみる。
最終的な成果は国内外の学会などで発表、論文投稿の予定としている。

URL: 

公開日: 2018-12-17  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi