研究課題/領域番号 |
16K00906
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研究機関 | 秋田大学 |
研究代表者 |
瀬尾 知子 秋田大学, 教育文化学部, 准教授 (00726309)
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研究分担者 |
長沼 誠子 秋田大学, 名誉教授, 名誉教授 (30006598)
佐々木 信子 秋田大学, 教育文化学部, 教授 (50711529)
望月 一枝 日本女子大学, 家政学部, 研究員 (60431615)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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キーワード | 幼児期 / 咀嚼 / テクスチャー / 嗜好性 / 環境要因 |
研究実績の概要 |
1、研究目的 幼児期の咀嚼と食嗜好は,人間の生涯の食と健康に関連するといわれているが,先行研究では,幼児期における咀嚼機能の発達は,主に生理学的側面から,食嗜好の発達は,主に心理学的側面から研究され,咀嚼機能の発達と食嗜好の関連は明らかにされていない。本研究では,幼児期の咀嚼経験が食嗜好形成過程に与える影響を明らかにすることである。 2、研究実績 幼児期の咀嚼経験と食嗜好の関連を検討するにあたり,29年度は、幼児が園(幼稚園や保育所,認定こども園)で食べている間食と,20年前の園での間食を調査し,園で提供される間食のテクスチャー(歯触りや噛み応えといった食感)を調査した。また,昨年度の幼児のテクスチャー嗜好の調査では,テクスチャー嗜好に環境要因が影響を与えている可能性が示唆されたため,29年度はテクスチャー嗜好に与える要因を明らかにするため昨年度調査に協力した幼児の保護者に対して質問紙調査を実施した。 その結果,20年前と現在の園での給食や間食のテクスチャーを調査した結果,20年前に提供されていた間食と現在の間食ではテクスチャーが異なっており,現在の幼児の方が軟らかいものを食べていることが明らかになった。また,現在,幼児のテクスチャー嗜好に与える要因を明らかにするために,家庭での食事状況や子どもと親の食の嗜好性,親の養育態度等との関連について分析を進めている。現在,食嗜好が形成される幼児期に,塩味や甘味といった味覚だけでなく歯触りといったテクスチャーの嗜好性から検討することは,幼児期の食嗜好の改善に関わり有用な知見を得ることができる。今後は,質問紙調査や映像分析をもとに幼児の食嗜好に影響を与える環境要因を詳細に検討する必要がある。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
29年度は,昨年度テクスチャー嗜好調査に協力した子どもの親に質問紙調査を予定通り行うことができた。現在,テクスチャー嗜好に影響を与えている環境要因を明らかにするため分析を進めている。
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今後の研究の推進方策 |
昨年度実施した,テクスチャー嗜好調査に協力した子どもの親に対する質問紙調査のデータ解析を進める。また,分析結果を関連学会で発表するとともに,これまでの研究成果をHP等で発信する計画である。
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次年度使用額が生じた理由 |
(理由) 今年度、質問紙調査を実施したが、幼稚園や保育所等との日程を調整したところ、質問紙調査の回答の回収が、2月になり、分析まで進めることができなかった。そのため、質問紙調査分析のための予算として確保しておいた金額が次年度使用額として生じることになった。 (使用計画) 1.質問紙調査の分析費用にあてる 2.調査結果をHPで発信するための費用にあてる 3.学会発表を予定している学会の旅費にあてる
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