研究課題
生活習慣病の一次予防において、食習慣は運動と並んで極めて重要である。しかし、災害後においては、ライフスタイルが変化せざるをえず、一次予防はしばしば困難となる。実際に被災地における食事・運動習慣の調査結果では、避難状況による差がみられた(Nihon Koshu Eisei Zasshi 63: 3-10, 2016、J Epidemiol 27: 14-23, 2017)。実行しやすい一次予防として、食事時間に着目し、それを規定する分子機序の進歩の情報収集のため学会などに参加した。また必要な機器や試薬を一部購入した。災害被災地域における、避難生活などに関連した生活習慣病の新規罹患調査によって、肥満などの生活習慣パラメーターと並んで避難が、糖尿病や高血圧、腎機能障害などの発症のリスクとなっていることが示された。一方、一次予防では、非アルコール性脂肪肝によると思われる肝機能異常の改善に、間食・夜食、食事のスピードなどの改善よりも、朝食を欠食しないことと、運動が大きく寄与しており、睡眠や全般的なメンタルヘルスの状況は関連が認められないことが示された(Medicine 97: 42e12890, 2018)。さらに、メタボリック症候群の発症に、トラウマストレスと関連していることが示された(J Atheroscler Thromb 27: 2020 Jan 31)。加えて成人だけでなく子供においても、肥満傾向や高脂血症が認められた(Pediatr Int 2020 Jan 21)。調査からは、当初予想し計画をたてた食事や睡眠による一次予防機序とは異なる結果も示され、また予定変更もあり、研究を遂行できないところが出た。徐々に進行することが多い生活習慣病が、被災後1~3年という短い期間で急激に進行する人が一定割合いること分り、その多様性に交感神経系が関連してる可能性が示唆された。
すべて 2020
すべて 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 3件、 オープンアクセス 1件)
J Atheroscler Thromb
巻: - ページ: -
10.5551/jat.52225.
Sleep Med
巻: 68 ページ: 63, 70
10.1016/j.sleep.2019.09.004
Pediatr Int
10.1111/ped.14162.