研究課題
基盤研究(C)
本研究は、非アルコール性脂肪肝炎(NASH)患者の早期発見のための非侵襲的なバイオマーカーの同定を目的としている。まず、フルクトース処理により糖化させた培養細胞から、糖化された蛋白質としてHNRNPMを同定した。次に、HNRNPMの機能を減弱させた細胞における遺伝子発現の変化を確認したところ、RASGRP2を含む複数個の遺伝子の発現量が増減していたことを見出した。
分子生物学
HNRNPMは、ヒトの糖尿病を模倣した培養細胞から見つかってきたものであり、NASHの原因遺伝子の候補となりえる。HNRNPMの機能の減弱によって発現が変化する遺伝子の中には、バイオマーカーとなり得るものが含まれている可能性が考えられる。これらバイオマーカーを用いてNAFLD/NASH診断用キット(簡易化したもの)を構築することができれば、大掛かりな機器や手間を必要とせず診療所レベルでの検査も期待でき、利用分野の拡大が見込まれる。