研究課題/領域番号 |
16K00932
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研究機関 | 松山大学 |
研究代表者 |
奥山 聡 松山大学, 薬学部, 准教授 (40550380)
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研究分担者 |
古川 美子 松山大学, 薬学部, 教授 (20219108)
中島 光業 松山大学, 薬学部, 教授 (70311404)
並河 徹 島根大学, 学術研究院医学・看護学系, 教授 (50180534)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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キーワード | SHRSP / 脳虚血 / 柑橘成分 |
研究実績の概要 |
これまでに我々は、愛媛県特産柑橘「河内晩柑」の果皮に含有されるヘプタメトキシフラボン(HMF)、ナリンギン(NGI)および河内晩柑果皮乾燥粉末が一過性脳虚血モデルマウスの系で、抗炎症ならびに神経細胞死抑制作用を示すことを見出した。本研究では、ヒト本態性高血圧・脳血管疾患モデルである高血圧自然発症脳卒中易発症ラット(SHRSP)を用いて、脳卒中に引き起こされる脳神経機能障害に対して、HMFおよびNGIが障害の抑制作用を示すかどうか、また作用メカニズムを明らかにすることを目的として実験を行った。
<SHRSPの一過性脳虚血障害に対するHMFおよびNGIの作用解析> SHRでは一過性の全脳虚血によっても海馬における神経細胞死が誘発されないが、SHRSPでは神経細胞死が誘発される。このことから、12週齢時にラット両側総頸動脈流をクリップで20分間一時的に遮断、その後再灌流することで全脳虚血モデルを作製し、虚血手術1週間後、解剖により脳組織を得て各種解析を行った。HMFおよびNGIはそれぞれ、9週齢から13週齢まで混餌投与を行った。脳海馬における神経細胞の形態変化について評価したところ、SHRSPでは海馬CA1およびCA2領域において神経細胞死が見られたが、HMFとNGIそれぞれの投与群では細胞死が抑制されていた。また、SHRSPではグリア細胞(ミクログリアおよびアストロサイト)の活性化が見られたが、ミクログリアについてはHMFで、アストロサイトについてはNGIが、それぞれの活性化を有意に抑制していた。 <SHRSPに対するHMFおよびNGIの作用解析> SHRSPに対し、脳虚血手術をすることなく8週齢から15週齢まで混餌投与を行い、記憶学習試験の一つであるPassive avoidance testを行った。その結果、記憶保持の評価において、HMF投与群では高い値を示した。
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