研究課題/領域番号 |
16K00933
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研究機関 | 第一薬科大学 |
研究代表者 |
小山 進 第一薬科大学, 薬学部, 教授 (60461505)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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キーワード | 肥満 / ドパミン受容体 / レプチン / 腹側被蓋野 / 過食 |
研究実績の概要 |
[研究成果の具体的内容] ・行動学的実験:肥満マウスにおける過剰食餌摂取と、それによる体重増加を確認した。(1)非肥満マウスと比較して、肥満マウスの食餌摂取量と体重変化は、4週齢から9週齢にかけて有意に上昇した。(2)9週齢から10週齢の1週間の肥満マウスの食餌エネルギー摂取量は線形的に上昇し、非肥満マウスと比較すると有意に多かった。 ・電気生理学的実験:肥満マウスから得た脳スライス標本を用いて、脳内食報酬系中枢である腹側被蓋野(ventral tegmental area: VTA)ドパミン神経のサブタイプを確認した。電気生理学的・薬理学的に同定したレプチン応答性VTAドパミン神経の45%がD1受容体作動薬SKF38393による抑制反応を示した。しかし、レプチン応答性VTAドパミン神経の55%はSKF38393に反応しなかった。 [研究成果の意義と重要性] 本研究結果から、肥満マウスの過食・肥満過程が明らかとなり、レプチン応答性VTAドパミン神経をD1受容体発現の有無により、サブタイプ分類できる可能性が高まった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
平成28年度当初予定していた研究分担者が退職したため、行動実験の大部分が遂行できなかった。研究代表者のエフォートは25%であるが、教育その他実務に費やす時間が多いことが研究の遅れの一因となった。
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今後の研究の推進方策 |
同一研究機関所属の行動実験専門家(講師)を研究分担者に招き、研究の遅延を解消する。特に、D1及びD2受容体作動薬前処置後の絶食負荷試験による肥満マウスと非肥満マウスの食行動、耐糖能変化などを比較検討する。
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次年度使用額が生じた理由 |
研究分担者退職のため、本人購入予定であった動物行動解析ソフトを本年度は購入しなかった。
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次年度使用額の使用計画 |
新研究分担者による動物行動解析ソフト購入に使用する。
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