本研究は、スウェーデン、イタリア、ドイツと日本で味覚・健康・環境・食文化及び食農教育を観点として学校給食及び食育について調査を行い、各国の特徴的な取り組みや事例をまとめ、関係者に役立つ情報を提供することを目的として行った。 その結果、スウェーデンでは、政府が学校給食の指針を決定し、地方自治体が運営の義務と責任を負い、無償の給食を小中学校で提供していた。環境を重視し、学校給食で使用する食材の有機食品の購入割合を高める努力が実行されていた。地域別のランキングが公表されることが有機食品を購入する強いインセンティブとなっており、調査したウプサラでは2017年の有機食品の購入が35%以上で、2018年に50%、2023年に100%をめざし、幼稚園でベジタリアン給食を週2回提供するなどの取り組みを計画していた。献立には移民の児童生徒の嗜好に配慮した内容が認められた。 イタリアでは、有料の学校給食が地方単位で実施されており、調査を行ったローマ地区では、地区全体の学校給食を統括する行政組織によって統一献立が決定されており、食材はできるだけ地元の産物で有機食品の購入を行うため、有機食品を提供できる食品会社が選抜され、その業者の食品リストから各学校で必要量が発注されていた、献立内容はイタリアの食文化を配慮した内容となっており、第一の皿、第二の皿、その後果物が提供されていた。食器は生分解性の使い捨て紙食器が使用されており、環境が配慮されていた。 ドイツでは、最新の委託給食会社を見学した。QRコードで管理が行われており、スチームコンベクションのQRコードには、必要な材料と量、料理の作り方、加熱時間などの情報が記録され、各種コンテナ、調理保管容器には、保管されている料理の内容、移送先などの情報が記録されていた。 得られた情報を整理後、ホームページなどを通して、国内外に情報提供する予定である。
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