研究課題/領域番号 |
16K00939
|
研究機関 | 国立研究開発法人農業・食品産業技術総合研究機構 |
研究代表者 |
一法師 克成 国立研究開発法人農業・食品産業技術総合研究機構, 食品研究部門 食品健康機能研究領域, 上級研究員 (30355606)
|
研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2019-03-31
|
キーワード | ターゲット・プロテオミクス / オウトウ / アレルゲン / 定量 / LC/MS/MS / Pru av 1 / Pru av 3 / Pru av 4 |
研究実績の概要 |
ターゲット・プロテオミクスによるオウトウアレルゲンタンパク質Pru av 1、Pru av 2、Pru av 3およびPru av 4の一斉定量法を開発するため、以下の研究を行った。 UniProtKBに登録されているPru av 1~4のアミノ酸配列情報を用いて、in silicoでのトリプシン消化を行い、安定同位体標識内部標準ペプチド(AQUAペプチド)に適した配列を持つ、Pru av 1~4に対応した4つのペプチドを選定し、それらに対応したAQUAペプチド合成品を調製した。LC-MS/MSの質量分析部へAQUAペプチドをインフージョンし、フルスキャン測定およびプロダクトイオン測定を行い、これらペプチドのMRMトランジションを決定した。次に、AQUAペプチドおよびオウトウタンパク質トリプシン消化物を用いて、オクタデシルシリル(C18)基を持った逆相クロマトグラフィーでの、水/アセトニトリルの比率等の移動相などの液体クロマトグラフィー(LC)条件を検討し、Pru av 1、Pru av 3およびPru av 4の分析に適したLC条件を決定した。Pru av 2については、トリプシン消化により生成する内生ペプチドおよびAQUAペプチドに適したLC条件を見出せなかった。 Pru av 1、Pru av 3およびPru av 4の定量法について、マトリックスへ添加したAQUAペプチドの濃度系列の測定による直線性の確認等を行い、定量法の妥当性を評価した。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
Pru av 2については、トリプシン消化により生成する内生ペプチドおよびAQUAペプチドに適したLC条件を見出せなかった。親水性が高いため、C18基へ保持しなかったことが原因と考えられる。すでに、親水性相互作用クロマトグラフィー(HILIC)での定量法を確立しているので、Pru av 2を定量する際は、HILICを用いることとする。
|
今後の研究の推進方策 |
平成30年度は、平成28および29年度に開発した、モモおよびオウトウアレルゲンタンパク質の定量法を用いて、モモおよびオウトウ国内主要品種のアレルゲンタンパク質含有量を調べる。
|
次年度使用額が生じた理由 |
(理由)LC-MS/MSのターボ分子ポンプを交換せずに済んだことと、有機溶媒の使用量が少ない定量法を開発したため、消耗品費が少なくなったことなど。
(使用計画)LC-MS/MSのターボ分子ポンプの交換に使用する。
|