研究課題/領域番号 |
16K00942
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研究機関 | 大阪府立公衆衛生研究所 |
研究代表者 |
梶村 計志 大阪府立公衆衛生研究所, 衛生化学部, 課長 (40250336)
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研究分担者 |
川口 正美 大阪府立公衆衛生研究所, 衛生化学部, 主任研究員 (30260368)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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キーワード | 健康食品 / 製剤試験 / 崩壊試験 / 硬度試験 / 重量偏差試験 |
研究実績の概要 |
インターネットや薬店で健康食品として販売されている製品を入手し、医薬品の品質管理に適用される製剤試験である崩壊試験、硬度試験および重量偏差試験を実施した。 1)試料:入手した試料の内訳は、以下の通りである。錠剤タイプの製品(素錠)が14検体、軟カプセル剤タイプの製品が7検体、硬カプセル剤タイプの製品が2検体。ビタミンEを主成分とする製品が7検体、水溶性ビタミン(B1、B2およびB6)を主成分とする製品が16検体。栄養機能食品が7検体、「いわゆる健康食品」が16検体。 2)崩壊試験:各6個体について、試験液として水を用い崩壊試験を実施したところ、軟カプセル剤および硬カプセル剤タイプの製品は全て試験開始後、20分以内に崩壊した。一方、錠剤タイプの製品では、製品間で崩壊時間に大きな差異が認められた。また、同一製品でも個体により崩壊時間に大きなバラツキが認められる製品も存在した。栄養機能食品と「いわゆる健康食品」で崩壊時間に係る品質に明確な差は認められなかった。 3)硬度試験:錠剤タイプの製品を対象として各5個体について、モンサント型錠剤硬度計を使用し硬度を測定した(14検体:16種類)。製品により硬度が大きく異なっており、4.7~13.9kg/cm2の範囲であった。標準偏差は、概ね1.0以下であったが、硬度のバラツキが大きい製品も見受けられた。また、硬度と崩壊時間の間に相関性は確認できなかった。 4)重量偏差試験:各10個体について、重量偏差試験を行った。各製品の質量は概ね、外箱や説明書に記載されている値であった。カプセル剤タイプの製品の標準偏差は、2.9~9.0の範囲であった。一方、錠剤タイプの製品では、1.3~7.2の範囲であった。また、栄養機能食品と「いわゆる健康食品」で重量偏差に係る品質に大きな差異は認められなかった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
今年度は、交付申請書に記載した研究実施計画に従い、インターネット等で試料を入手し、次年度以降に使用するビタミン剤の分析法の検討を行った。また、入手した検体を使用し、崩壊試験、硬度試験、重量偏差試験などの製剤試験も実施した。研究は計画に従い、おおむね順調に進展しているものと考えられる。
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今後の研究の推進方策 |
次年度は申請書に記載した研究実施計画に従い、「いわゆる健康食品」や「栄養機能食品」を対象とし、医薬品の品質管理に適用される製剤試験である溶出試験を実施する。また、各試験により得られた結果を解析し、カテゴリー毎の比較を行う。現段階で、研究計画の大幅な変更は考えていない。
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次年度使用額が生じた理由 |
今年度は、高速液体クロマトグラフィー関連製品(分析カラム、ディスポーザブルフィルター等)や健康食品サンプルの購入費が、予定していた価格より安価であったため、結果として次年度使用額が生じた。
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次年度使用額の使用計画 |
申請書に定められた平成29年度の研究実施計画に従い、健康食品のサンプル、実験器具類、試薬類、高速液体クロマトグラフィー関連製品等を購入する。また、申請書で定めた計画に従い、旅費等の執行を行う。
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