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2016 年度 実施状況報告書

「食の豊かさ」概念指標と評価尺度の開発 地域特性に沿った子どもの健全育成のために

研究課題

研究課題/領域番号 16K00943
研究機関女子栄養大学

研究代表者

野末 みほ  女子栄養大学, 付置研究所, 研究員 (20421836)

研究分担者 三好 美紀  国立研究開発法人医薬基盤・健康・栄養研究所, 国立健康・栄養研究所 国際産学連携センター, 室長 (30361463)
吉池 信男  青森県立保健大学, 健康科学部, 教授 (80240232)
石田 裕美  女子栄養大学, 栄養学部, 教授 (80176198)
研究期間 (年度) 2016-04-01 – 2019-03-31
キーワード食 / 豊かさ / 子ども / 小学生 / 評価尺度 / 地域差
研究実績の概要

本研究は、食の側面から、子どもの健全な育成を目指して、これまで主観によってのみ語られることが多く、系統的に研究されてこなかった「食の豊かさ」ということばに着目している。食行動や食品や栄養素の摂取量だけではない多様な側面から、子ども期における「食の豊かさ」の要素について検討し、コンセンサスを得られた概念を構築し、「食の豊かさ」を評価するための尺度を開発することを目的としている。平成28年度には「食の豊かさ」の要素を抽出するために、食に携わる専門家へのインタビューを実施した。インタビューは17名の専門家に対し、研究代表者及び研究分担者が行った。インタビューの内容を文字にし、キーワードを抽出し、抽出されたキーワードを共通する項目ごとに分類した。次に、小学生と小学生を持つ保護者を対象にフォーカスグループディスカッションを行った。東京都のA市、埼玉県のB市の小学生の子どもを持つ保護者及び埼玉県のB市については小学5年生の協力も得られた。フォーカスグループディスカッションの参加者には、小学生の子どもの食の豊かさに関係すると思われる事柄について自由に意見を出し合ってもらった。ディスカッション終了後、専門家のインタビューによって抽出したキーワードに研究者が考えた項目を加えた計49項目からなるアンケート調査を、保護者と小学生に実施した。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

平成28年度は、「食の豊かさ」の要素を抽出するために、食に携わる専門家へのインタビュー及び小学生と小学生を持つ保護者を対象にフォーカスグループディスカッションを行った。
①食に携わる専門家へのインタビューについて
17名に対してインタビューを行った。17名の内訳は、大学教員4名、研究所の研究員1名、行政栄養士4名、栄養教諭4名、企業の食品部門担当者3名、NPO理事長1名である。インタビューは研究代表者及び研究分担者が行い、専門家の同意が得られた場合にはインタビューの内容をボイスレコーダーに記録した。その後、インタビューの内容を文字にし、キーワードを抽出した。次に、抽出されたキーワードを共通する項目ごとに分類した。
②小学生と小学生の子どもを持つ保護者を対象にしたフォーカスグループディスカッション(パイロット調査)について
東京都のA市において小学生の子どもを持つ保護者を対象に、埼玉県のB市において小学5年生及びその保護者を対象にフォーカスグループディスカッションを実施した。A市では8名の保護者、B市では7名の小学生とその保護者の協力が得られた。フォーカスグループディスカッション及びディスカッション終了後のアンケート調査の時間を含めて、調査に係った所要時間は保護者については2時間、小学生については1時間30分であった。対象者には、小学生の子どもの食の豊かさに関係すると思われる事柄について自由に意見を出し合ってもらった。フォーカスグループディスカッションの内容はボイスレコーダーに記録した。ディスカッション終了後、①で抽出したキーワードに研究者が考えた項目を加えた計49項目からなるアンケート調査を、保護者と小学生に実施した。

今後の研究の推進方策

平成29年度は、平成28年度に実施した専門家へのインタビューから得られたキーワードについて、質的な検討を深める。また、平成28年度にパイロット的に実施した小学生と小学生の子どもを持つ保護者を対象にしたフォーカスグループディスカッションの結果を分析し、アンケートを改良する。改良したアンケートを用いて、同一県の中で、市区の中心部と郊外に居住する各小学生と小学生の子どもを持つ母親を対象にフォーカスグループディスカッション及びアンケート調査を実施する。その後、「食の豊かさ」と心身の状態及び地域差を検討するために、国内10地域300名の小学生を対象に、開発した食に関するアンケート、SDQ(Strengths and Difficulties Questionnaire, 子どもの強さと困難さについての質問紙)、Kid-KINDLR (Revised Children Quality of Life Questionnaire for 8 to 12-years-olds, 適応性の測定のために開発された質問紙)及び身長と体重のデータを得る。
得られたデータを分析し、情報を発信する。

次年度使用額が生じた理由

平成28年度の計画では、小学生及び小学生を持つ保護者を対象としたフォーカスグループディスカッションを4地域、56名に対して実施する予定であった。平成28年4月に研究代表者の所属機関の変更があり、フォーカスグループディスカッションの協力者を募集すること、またその打ち合わせなどが時間的に困難な状況が生じた。そのため、予算うち、実際にフォーカスグループディスカッションを実施した22名について使用し、34名分については使用しなかった。

次年度使用額の使用計画

平成29年度に、34名を対象にフォーカスグループディスカッションを実施する。対象者への謝金及び実施に関わる会場の借用費やアンケート用紙の印刷、また打ち合わせや実施に係る研究者の旅費に使用する。

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公開日: 2018-01-16  

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