研究課題/領域番号 |
16K00946
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研究機関 | 岩手大学 |
研究代表者 |
立花 正男 岩手大学, 教育学研究科, 教授 (00390576)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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キーワード | 空間図形 / パイプグラム |
研究実績の概要 |
この研究の目的は,「「パイプグラム」を活用して授業を展開し,実物を児童生徒にパイプグラムを持たせて指導することが空間概念を育てることに効果的であるかどうかを明らかにする。」ことである。このために,平成28年度は,①事業実践および事前調査,事後調査,②小中学校教員への空間図形についてのアンケート調査,③岩手県内5カ所での勉強会,④研究成果についての発表を行った。 ①の授業実践の際は,武州工業株式会社から実践クラス全員分のパイプグラムを寄贈いただいた。授業は,研究者自ら行ったものと,研究協力者が行ったものがある。研究代表者の授業実践は,小学校で1回,中学校で2回行った。中学校の2回は,1回は山形県酒田市教育委員会の研修会において実施し,もう1回は岩手県二戸地区の算数数学研究会での授業であった。また,研究協力者は,各学校(13校)においてそれぞれが行い,実践事例を作成した。その中の1回は,岩手県教育研究会数学部会が主催して開催した授業研究会においての授業である。この会には,約60名の中学校教員が参加して,実践を学ぶことができた。 また,授業実施する際は,生徒に対して事前調査と事後調査を実施し,その結果を集計し,統計的に有意差があるかについて検証している。 ②のアンケート調査は,「空間図形の指導についての教員の意識調査」である。小学校114名,中学校50名から回答を得た。この結果について集計し,今後の研究に生かしていきたい。 ③の勉強会は,各地区二ヶ月に1回の割合で開催し,盛岡5回,久慈4回,宮古5回,大船渡5回,奥州5回の24回開催した。参加者は,各地区10名~20名くらいであり,空間図形の内容に限定せず,算数,数学の指導法について協議している。 ④の研究成果の発表は,日数教の2つの全国大会で,研究協力者2名と研究代表者が発表を行った。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
1: 当初の計画以上に進展している
理由
授業実践について,当初の予定より多くの学校で行うことができた。 また,研究成果についての学会での発表を予定していなかったが,8月に研究協力者2名が,日数教の「全国算数・数学教育研究大会」で,さらに研究代表者が,10月に日数教の秋期研究大会で研究について発表した。
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今後の研究の推進方策 |
パイプグラムを使った授業実践についての効果を検証するために,児童生徒に事前調査,事後調査を実施してこの結果を分析している。今年度は,パイプグラムを使った指導が効果的であるかどうかについて,統計的には示すことができていない。 今後の研究を進めるに当たって,アンケート調査で明らかになった空間図形の指導について課題を勉強会等で協議し,解決策を探っていきたい。そして,再度授業実践で検証したい。 また,県内外の研究会等で,空間図形に指導の課題について講義を行い,小学校,中学校の指導の改善を促したい。
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次年度使用額が生じた理由 |
2505円の残額が生じた。これは,調査問題の集計の謝金にあてる予定であったが,採点の回数が予定より少なくてすんだものである。
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次年度使用額の使用計画 |
実践事例集の作成のための謝金に充てたいと考える。
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