今回の研究から,実物教材が児童生徒の空間概念の育成に有効であることが明らかになった。これまでは,空間図形の学習が教科書を使った2次元の世界で進められていたことが空間概念を育成に大きな障害になっていた可能性を見いだせた。また,この研究で,教師と児童生徒の認識に齟齬がある可能性も見いだせた。それは,調査問題を解答する際に,空間図形の関係を答える問題に,平面図形の関係を答えている児童生徒がいることである。それは,児童生徒の問題に対する捉え方と,教師の捉え方が違っていたことが明らかになったことにより,今後の指導の在り方を示唆することができた。
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