研究課題/領域番号 |
16K00965
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研究機関 | 岡山大学 |
研究代表者 |
喜多 雅一 岡山大学, 教育学研究科, 教授 (20177827)
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研究分担者 |
松原 憲治 国立教育政策研究所, 教育課程研究センター基礎研究部, 総括研究官 (10549372)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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キーワード | 指導仮説 / 理科 / 授業改善 / 定量的指標 / 導入・展開・終末 / 学習者中心 / 活動中心 / 主体的な学び |
研究実績の概要 |
平成28年度 共同研究者と調査・研究計画について4月に協議をした。指導仮説を取り込んだ授業案の作成と指標を用いたその評価についてこれまでの試行をふまえて,より有効な方法を検討した。さらに,9月,10月の2ヶ月間JICAサブサハラ地域別研修において,6カ国14名の研修員に,指導仮説を用いた授業案の作成を行い,合わせてその評価指標を作成させ,有効性を検討した。また実際に日本の小学校でアフリカの研修員が指導仮説を取り入れた授業を実践し,その有効性を検証した。さらにアフリカの教員が作った授業案を元に岡山大学の学部生が12月にオーストラリアの小学校(公立とインターナショナルの2校)で,指導仮説に基づく授業を実践し,その有効性を検証した。さらにそのあとインドネシアの小学校で日本の現職教員2名が指導仮説に基づく授業を実践し,その有効性を検証した。2017年3月にはネパールに喜多が同様に指導仮説の基づく授業実践を行った。 以上のように多数の授業実践により指導仮説とその評価指標の有用性は明らかになった。 一方,サブサハラの教育関係者に指導仮説とその指標を活用した授業作りの(1)考え方,(2)意義,(3)方法,(4)実践による演習,(5)有効性や改善点の洗い出し,以上の一連の研修を行うのに2ヶ月を要する。また研修後にどの程度その方法が定着し,活用されるかは未知数である。前者の指導仮説を理解し,活用するためのプロセスの簡便化という課題と,それが学校現場での活用の継続性・有用性に関する課題が明らかとなった。後者については29年度にザンビアに調査に行き検証を行う予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
研究実績の概要でのべたように様々な状況(アフリカ・アジア・オセアニア・日本)に置ける多数の授業実践を様々な教育関係者(アフリカの教育関係者,日本の学生,院生,,教員など)によって実施することができ,指導仮説の有用性が極めて高いことが実証できた。ここで作成した指導案や授業記録は,広く公表するのに耐える効果の高いものである。また29年度・30年度に検討し,さらに追究すべき課題として,(1)指導仮説を理解し,活用するためのプロセスの簡便化という課題と,(2)それが学校現場での活用の継続性・有用性に関する課題が明らかとなった。
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今後の研究の推進方策 |
研究実績の概要でのべたように様々な状況(アフリカ・アジア・オセアニア・日本)に置ける多数の授業実践を様々な教育関係者(アフリカの教育関係者,日本の学生,院生,,教員など)によって実施することができ,指導仮説の有用性が極めて高いことが実証できた。ここで作成した指導案や授業記録は,広く公表するのに耐える効果の高いものである。書籍化も含めて検討する。また29年度・30年度に検討し,さらに追究すべき課題として,(1)指導仮説を理解し,活用するためのプロセスの簡便化という課題と,(2)それが学校現場での活用の継続性・有用性に関する課題が明らかとなったので,理論的な検討と実践による検証をこれら課題の解決のために実施する。
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