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2017 年度 実施状況報告書

デジタル式プラネタリウムにおける天文教育手法の開発:学習投影の現状を踏まえて

研究課題

研究課題/領域番号 16K00969
研究機関香川大学

研究代表者

松村 雅文  香川大学, 教育学部, 教授 (50239084)

研究分担者 加藤 恒彦  国立天文台, 大学共同利用機関等の部局等, その他 (90413955)
研究期間 (年度) 2016-04-01 – 2020-03-31
キーワードプラネタリウム / 天文教育 / 科学教育
研究実績の概要

本研究は、小学校・中学校のクラスにおいて、より有効な天文学習を行うための、新たなデジタル式プラネタリウムに対応した学習投影の手法を開発することを目的としている。このため平成29年度は、(1) Mitakaを用いた金星学習のためのビデオクリップを試作し、(2) Mitaka立体上映システムの購入と調整・整備を行い、(3) 北米における天文教育の状況を調査し、(4) あすたむらんど徳島プラネタリウムにおける学習投影の検討を行った。
(1) Mitakaを用いた金星学習のためのビデオクリップの試作:金星は、中学校理科の天文学習で扱われるが、学習が難しいとされる場合が多い。そこでMitakaを用いてビデオクリップの試作し、その理由を考察した。この結果、高校物理で扱われる単振動と似た思考が必要であることが、その理由の一つであることを指摘した。
(2) Mitaka立体上映システムの購入と調整・整備:学校におけるMitaka立体上映システムの有効な利用方法を考察するため、同システムの購入を行い、調整および整備を行った。
(3) 北米における天文教育の状況調査:2017年8月29日~9月3日、アメリカのロサンゼルス及びカナダのモントリオールに出張し、グリフィス天文台(ロサンゼルス)、Rio Tinto Alcanプラネタリウム(モントリオール)、カリフォルニア・サイエンスセンター、モントリオール・サイエンス・センターを調査した。モントリオール大学及びケベック大学モントリオール校の関連研究者と天文教育について討議し、意見交換を行った。
(4) あすたむらんど徳島プラネタリウムにおける学習投影:小学校の利用における学習投影を想定し、小学校での天文の学習内容を整理した。今後、学校での学習と関連させた、プラネタリウムの学習投影の再検討が行われる予定であり、その過程の一つのステップとした。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

平成29年度は、(1) Mitakaを用いた金星学習のためのビデオクリップの試作、(2) Mitaka立体上映システムの購入と調整・整備、(3) 北米における天文教育の状況調査、(4) あすたむらんど徳島プラネタリウムにおける学習投影の検討、を行い、いずれもほぼ順調に進展することができた。
(1) Mitakaを用いた金星学習のためのビデオクリップの試作:試作の状況と、金星学習の困難さについて天文教育研究会および同集録で報告した。
(2) Mitaka立体上映システムの購入と調整:当初の計画通り、同システムを購入した。当初計画では購入後、すぐに香川大学教育学部附属坂出中学校に移動する予定であったが、現在は大学内で、調整・整備中である。
(3) 北米における天文教育の状況調査:当初の計画では、ニューヨークのヘイデン・プラネタリウムも訪問する予定であったが、日程の都合でロサンゼルスとモントリオールのみになった。しかし、北米の天文教育の状況を知るという目的は達成できた。
(4) あすたむらんど徳島プラネタリウムにおける学習投影:平成28年度に引き続き、平成29年度も、同プラネタリウムでの学習投影の検討を行った。

今後の研究の推進方策

平成29年度に購入したMitaka立体上映システムを用いて、新たな学習投影手法を開発する。この開発は、香川大学教育学部附属坂出中学校との協力のもとで行う。また、本研究で従来行った内容(平成28年度:国内のプラネタリウムの学習投影の調査の結果、平成29年度:北米での天文教育の状況調査、これらと並行して進めている あすたむらんど徳島プラネタリウム における学習投影とその検証)を踏まえて行う。
本研究の投影手法の開発においては、天文学習全般を念頭に置くが、特に学習が難しいと言われる「月の位相」、「金星の位相」、「銀河系の存在」に焦点をあてることを想定している。

次年度使用額が生じた理由

当該年度に導入したMitaka立体上映システムの方式が、当初の計画より安価なものになったため次年度使用額が生じた。Mitaka立体上映システムは、液晶シャッター眼鏡を用いる方式と、偏光めがねを用いる方式の二つがあり、価格も異なる。それぞれの利点・欠点を検討し、主に使用する予定である香川大学教育学部附属坂出中学校の希望を考慮して、結果的に比較的安価な液晶シャッター眼鏡を用いる方式を購入した。このため、次年度使用額が生じた。
平成28年度に各地のプラネタリウム調査を行ったが、まだ不十分な部分がある。このため、この調査を充足するため、この次年度使用額を用いることを想定している。

  • 研究成果

    (8件)

すべて 2018 2017

すべて 雑誌論文 (2件) 学会発表 (6件) (うち国際学会 1件)

  • [雑誌論文] プラネタリウムを用いた天文教育:Mitakaによる金星の学習の可能性2017

    • 著者名/発表者名
      松村雅文
    • 雑誌名

      天文教育研究会集録

      巻: 31 ページ: 166-169

  • [雑誌論文] Mitakaによるバーチャルリアリティ宇宙体験2017

    • 著者名/発表者名
      加藤恒彦
    • 雑誌名

      天文教育研究会集録

      巻: 31 ページ: 193-196

  • [学会発表] Mitakaにおける科学的可視化について:その22018

    • 著者名/発表者名
      加藤恒彦、小久保英一郎、縣秀彦、中山弘敬、長谷川鋭、福士比奈子
    • 学会等名
      日本天文学会2018年春季年会
  • [学会発表] From Earth to the Edge of the Universe: Mitaka software as a tool for education and communication2018

    • 著者名/発表者名
      Tsunehiko Kato, Hidehiko Agata, Kumiko Usuda-Sato, Lina Canas, Seiichiro Naito
    • 学会等名
      The Communicating Astronomy with the Public 2018 Conference (CAP 2018)
    • 国際学会
  • [学会発表] プラネタリウムを用いた天文教育: 最近の進展状況の報告2017

    • 著者名/発表者名
      松村雅文
    • 学会等名
      第25回中国四国地区天文教育研究集会
  • [学会発表] プラネタリウムを用いた天文教育:Mitakaによる金星の学習の可能性2017

    • 著者名/発表者名
      松村雅文
    • 学会等名
      第31回天文教育研究会 2017年天文教育普及研究会年会
  • [学会発表] Mitakaにおける科学的可視化について2017

    • 著者名/発表者名
      加藤恒彦、小久保英一郎、縣秀彦、中山弘敬、長谷川鋭、福士比奈子
    • 学会等名
      日本天文学会2017年秋季年会
  • [学会発表] Mitakaによるバーチャルリアリティ宇宙体験2017

    • 著者名/発表者名
      加藤恒彦
    • 学会等名
      第31回天文教育研究会

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公開日: 2018-12-17  

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