香川県さぬき市にある雨滝山の露頭を対象に、まず、本露頭の形成過程の解明および産出した植物化石の整理・分析を実施した。その結果、本露頭が中期中新世にあった湖に堆積した地層であり、その後の断層運動等による変形によって現在の形を有することが明らかになった。また、産出する植物化石から当時の気温が現在よりやや暖かかったことが推測できた。 これらの研究成果を受け、雨滝山ガイドブックを作成し、地元のすべての小・中・高等学校等に配布するとともに、高校生を対象とした雨滝山の露頭の観察を実施し、本露頭における有効な地層観察のあり方を検討した。さらに、本露頭の風化による劣化を防ぐ目的で、強化保存剤を塗布した。
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