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2018 年度 実施状況報告書

認知症ケアに関わるコミュニケーションロボット製作PBL教材の開発

研究課題

研究課題/領域番号 16K00982
研究機関仙台高等専門学校

研究代表者

安藤 敏彦  仙台高等専門学校, 総合工学科, 准教授 (00212671)

研究期間 (年度) 2016-04-01 – 2020-03-31
キーワード認知症高齢者介護への支援 / 弱いロボット / 課題解決型学習 / デイケア施設
研究実績の概要

本研究は、増加する認知症者や高齢者の介護の負担の増大に対して、認知症者・高齢者と介護者の間にロボットを介在させることで、介護者の心理的・精神的な負担を軽減させるとともに、ロボットによる運動への誘導、感情の発現を通して認知症の進行を低減させることを目的としている。そのために、「弱いロボット」の概念を元に、認知症者・高齢者がロボットを支援する状況を発生させることで、手続き記憶や感情記憶に働きかけることで、認知症者・高齢者の自発的な行動を促す。それに加え、このようなロボットの開発を教材化し、工学を学ぶ高等教育機関の学生向けに一連の過程をPBLとして教材化することをもう一つの目的としている。
当該年度では、認知症などの基礎知識の講義から、ロボット開発、デイケア施設でのロボットの試演までの一連の過程をPBLとして教材化するため、学習計画の策定を予定していた。その準備のため、ロボットの開発過程の問題を洗い出し、特に開発を長期化させるロボットの動作のプログラミングに対して、その解決を図った。プログラミングの手間を軽減させるため、人のモーションデータを用いて、それをロボットに適応させることでロボットの動作を生成する手法を採用し、それを実装した。
ただし、デイケア施設での検証のため、デイケア施設等への連携を研究協力者のNPOに依頼しているが、平成30年度はNPO関係者の出産など家庭の事情のため、連携が滞り、デイケア施設での検証が十分でなかった。そのため、次年度も引き続き、施設での実験を行う予定 である。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

4: 遅れている

理由

本研究では、認知症や高齢者への介護支援のためロボットを利用するが、その検証をデイケア施設で行うことにしている。デイケア施設等への連携を研究協力者のNPOに依頼しているが、平成30年度はNPO関係者の出産など家庭の事情のため、連携が滞り、デイケア施設での検証が十分でなかった。そのため、次年度も引き続き、施設での実験を行う予定 である。
一方で、ロボット開発からデイケア施設でのロボットの試演までの過程を情報系の高等教育機関でPBLとして教材化することが、本研究のもう一つの目的である。教材化する際、クォーター制における1クォーター(8週相当)に全過程を修了することを前提としている。ロボット開発においては、プラットフォームであるロボットを一つに選定するため、主にロボットの動作を生成するためのソフトウェア開発が主となる。PBLの期間が比較的短期間であることから、当該年度は、開発が短期間にできるように、モーションキャプチャを利用したロボット動作生成システムの開発を中心に行なった。このシステムは、Kinectなどで人のモーションデータを獲得し、それをプラットフォームのロボットに合わせて動作を生成させるものである。このシステムの実現によりロボット開発の負担軽減を期待している。

今後の研究の推進方策

次年度では、あらためてデイケア施設との連携を行い、ロボットに対する高齢者の反応を確かめ、高齢者への有効な関わり方を明らかにする予定である。デイケア施設でロボットを用いる際には、体操やレクレーションなど高齢者の集団に対して働きかけることが主となることが多いが、個人情報に配慮しつつ個別の高齢者のプロファイルに合わせたシナリオ作成にも取り組みたい。
また、PBLとして8週間の短期間で開発、デイケア施設への訪問の過程を行う際の問題として、(1)開発期間の短さ、(2)デイケア施設での高齢者と学生との間の信頼関係がある。
(1)については、開発に不慣れな学生の参加も考慮し、指導書などの教材や準備講座の検討を行う必要がある。また、(2)については、連携先のデイケア施設への訪問を頻繁に行うことで、先方のスタッフや施設の高齢者との信頼関係を深める必要がある。それらの対処を踏まえて、PBLを研究室の学生などに実際に行なってもらい、PBLの授業計画の評価を行う予定である。

次年度使用額が生じた理由

本研究では、認知症や高齢者への介護支援のためロボットを利用するが、その検証をデイケア施設で行うことにしている。デイケア施設等への連携を研究協力者のNPOに依頼しているが、平成30年度はNPO関係者の出産など家庭の事情のため、連携が滞り、デイケア施設での検証が十分でなかった。そのため、次年度も引き続き、施設での実験を行う予定 である。その際、研究協力者のNPOへの依託費や試作ロボットにかかる制作費を予定している。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2019 その他

すべて 学会発表 (1件) 備考 (1件)

  • [学会発表] 介護支援ロボットに向けた動作生成2019

    • 著者名/発表者名
      安藤敏彦,丹野勇人
    • 学会等名
      情報処理学会東北支部研究会2018-7-A3-5
  • [備考] Artifact Theater Project

    • URL

      https://www.facebook.com/ArtifactTheaterProject/?ref=bookmarks

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公開日: 2019-12-27  

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