研究課題/領域番号 |
16K00986
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研究機関 | 福井工業高等専門学校 |
研究代表者 |
中谷 実伸 福井工業高等専門学校, 一般科目(自然系), 教授 (00311051)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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キーワード | 数学教育 / 数学教材 / 工学機器 / 学生の参加 |
研究実績の概要 |
本研究では、編集ソフトウェアにより設計した数学教材を、レーザーカッターや3Dプリンタ、3Dプロッタなどの工学機器を用いて立体化し、授業などで活用することを目的としている。 平成28年度に於いては、主にレーザーカッターによる教材作成を行った。今回作成した教材としては、まず2変数関数により表現される曲面と、楕円などの2次曲線に関する教材が挙げられる。前者については、偏微分の授業でよく題材として扱われる鞍点の模型を作成している。これは2変数関数の極値の問題の際に頻繁に扱われる教材であり、その形状は一般的には2つの放物曲面の組み合わせとして(z=a*(x2-y2))表現される。しかし、z軸を中心に回転することで、直線の集合体としても(z=b*x*y)表現することができる。これは2変数関数で表される曲面の形状把握の手がかりとしても扱いやすい教材である。この2種類の解釈がわかりやすいように教材を作成し、両者を比較できるものとした。また、後者の2次曲線の教材については、円錐の切断面から現れる2次曲線について、理解しやすいような模型を作成している。またこれらとは別に、学生に協力を仰ぐ形で、3Dプロッタによる幾何学的立体(球や多面体)などを設計・作成している。 これらの設計については、研究費で購入した画像編集ソフト「CorelDRAW」や「Rhinoceros」を用いている。こうして作成した教材を、実際の授業で活用している。 なお、当初の研究計画では、学生の数学同好会であるMMM同好会に、活動の一環として参加してもらう予定であったが、平成28年度より同同好会が活動を休止したために、不可能となってしまっている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
レーザーカッターによる教材の企画設計、ならびに製作については、ほぼ予定通りかと思われる。しかし、当初の計画では、当該年度中にレーザーカッター以外の工学機器も充分に活用する予定であったが、研究代表者本人の習熟に時間がかかり、学生の協力を得てようやく製作するに至った。また、当初の計画では本校の数学同好会であるMMM同好会所属の学生に企画参加をしてもらうことで、参加学生の数学に対する関心や考察を深めることを目標の1つとしていた。しかし、前項にも記入した通り、MMM同好会が平成28年度より活動を停止してしまったがために、この部分については、進められていない状況である。(前述の協力を仰いだ学生も、同好会の学生ではない) そのため、「やや遅れている」と自己評価している。
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今後の研究の推進方策 |
当初の計画通り、研究を引き続き行うことを前提とした上で、現状の改善策として、まずレーザーカッター以外の工学機器をより多く活用し、教材を作成する。 また、MMM同好会に替わって企画設計に参加してくれる学生を確保し、当初の計画通り、参加学生の数学に対する意識を高めるだけでなく、出前授業にも参加してもらうことで、参加学生へのより高い教育効果を計りたい。
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次年度使用額が生じた理由 |
当初購入予定であったUSBフラッシュメモリが品切れとなっていたため、同程度の規格の別製品にて代用した。そのための差額分である。
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次年度使用額の使用計画 |
数学教材作成のための材料購入費に充てる予定である。
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