本研究はレーザーカッターなどの工学機器を用いて作成したオリジナルの数学教材を授業や公開講座などで活用し、実際に手を触れることで学べる数学教材の教育効果について検証することを目的としている。 平成30年度についても、これまでと同様にレーザーカッターで作成した教材を授業などで活用するとともに、前年度までの研究内容に関して、日本数学教育学会などで2件の研究発表を行っている。なお、令和元年度についても、日本数学教育学会で研究発表を行うことが予定されている。 平成30年度は、主に「タイル張り」教材を作成し、授業や公開講座において使用した。「タイル張り」は紀元前からの研究対象であり、非結晶学的対称性など、非常に高度な学術分野とも関連性を持っているが、その導入へのハードルは高くなく、小中学生でも興味付けが可能な題材と言える。今回は「タイル張り」教材を用いた小中学生対象の公開講座を企画し、開催した。対象が低年齢と言うこともあり、主に手を使って平面充填を行うことを中心とした内容であった。講座後のアンケートにより、実際に手で触れることで学ぶ数学教材の教育効果を確認した。この公開講座では、現役の高専生によるサポートも行われている。 また、福井高専1年生向けの特別授業を企画し実施している。内容は小中学生向け公開講座より少々高度化し、考察の機会を増やすなどしている。こちらもアンケートによりその教育効果を検証している。さらに福井大学での公開講座に「タイル張り」教材を提供している。
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