研究課題/領域番号 |
16K00988
|
研究機関 | 舞鶴工業高等専門学校 |
研究代表者 |
片山 英昭 舞鶴工業高等専門学校, その他部局等, 教授 (30280407)
|
研究分担者 |
丹下 裕 舞鶴工業高等専門学校, その他部局等, 准教授 (50435434)
竹澤 智樹 舞鶴工業高等専門学校, その他部局等, 教授 (60413796)
|
研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2021-03-31
|
キーワード | 地域貢献 / 製品開発 / 教育モデル |
研究実績の概要 |
舞鶴市の地域活性化対策の1つとして,短期的なイベントで展示するためのコンテンツがあまりないことから,創造工学ではインタラクティブプロジェクションの開発を行った.また舞鶴市の観光客用アプリケーションとして,①モデルコースの共有,②今行ける観光スポットや飲食店の情報共有,③観光地や飲食店の情報共有するシステムを開発した.また工学基礎研究では,観光地や飲食店情報共有システムの改善とともに,観光地などで使用を目的とした電子クーポンの開発に取り組んだ. リハビリテーションでは子供の活動を支援する一環として,電動車椅子を使用することがある.舞鶴こども療育センターでは,子供たちの身体機能を高めたり,日々の生活を豊かにしたりする電動車椅子の操作部の改良等が望まれている.創造工学では,①電動車椅子に取り付けた突っ張り棒が回転することで,8㎝程度の段差を乗り越えることができる機構,②手首を動かすことができない人を対象とし,感圧センサを用いて肘掛を握ることで操作するコントロール部の機構,③電動車椅子に乗ることを楽しめるように,バイクのハンドル型コントローラとし,軽く握るだけで作動するスイッチなどを開発した. 工学基礎研究では,トレース機能を有する電動車椅子の改良を行い,カラーセンサーを用いて複数コースの選択が可能となる機構の基礎検討を行った. 創造工学では,発表会に参加してもらった舞鶴市役所の方々から開発した製作物に対してコメントを貰い,工学基礎研究での取組みに反映させることを行った.また,舞鶴市内で開催された赤れんがフェスタやキッズ☆バリアフリーフェスティバルしちゃったin まいづるにて,製作物を展示し,来場者から意見を聴取し,来年度以降の取り組みに反映させるための資料を得た.さらに,石川県津幡町で開催された科学の祭典に,インタラクティブプロジェクションを展示し,参加者からも意見をもらった.
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
実施状況としては,創造工学から工学基礎研究までの実施体制ができたことは評価できるが,工学基礎研究での取組み人員が少なかったことにより,おおむね順調に進展しているとした.また,地域の方々とのつながりが,市役所職員だけで今までと変化なく,今後にむけて広がりをつくる必要がある点もおおむね順調に進展しているとした.
|
今後の研究の推進方策 |
昨年度に実施した第4学年における「技術者としての地域貢献」の教育より,①アイディアの重要性,②完成度を高める必要性,③地域の方々からのフィードバックの重要性が判明した.今年度はモデル改善として,創造工学では,授業初日の説明会にて本校に求められるものは若い学生のアイディアであることついて説明し,授業中にもアイディアの重要性を継続的に述べる.また学生の製作費の予算の上限を少し上げる改善,工学基礎研究時に市役所職員などからの意見を得る機会が少なかったことより,創造工学の発表会以降での市職員などのとの交流を増やす改善を行う.そのもとで創造工学の授業では,舞鶴市の活性化としては,①舞鶴市の古い写真を用いて,昔にトリップした感覚を体験するアプリケーション,②平面的な写真ではなく,空間的に広がりのある写真を用いたインタラクティブプロジェクション,③子供たちが遊びながら,観光地情報をえるための,インタラクティブプロジェクションを実施する.また,電動車いすの改良としては,①電動車椅子からの立ち上がりを支援する機構の開発,②体の重心移動で操作するコントローラの開発,③バイクのハンドル型コントローラの改良を実施する.また並行して,第5学年の「卒業研究」において,工学基礎研究で行った地域の課題を解決する電気電子装置、ソフトウェアの開発を進める。実際には,複数の行先を選択できるように,カラーセンサーを用いて,トレース機能を有する電動車椅子について継続的に改良を行う.またクーポン情報の共有方式が,クライアントサーバーモデルであるため,サーバ構築など負担増対策及び耐障害性の向上のため,ピアツーピアモデルへの変更を試みる. 創造工学・工学基礎研究及び卒業研究で開発している製作物については,今年度も昨年度と同様に展示会に出展し,来場者からの意見の吸い上げを行う.また得られた成果の発表も行う予定である.
|
次年度使用額が生じた理由 |
物品費ではプロジェクタを用いて情報共有を行ったため,当初購入予定の物品を購入しなかったため,予算に余りがでることとなった.また旅費及び謝金に関しては,学校側の支払いとなったため,予算に余りがでることとなった.
|
次年度使用額の使用計画 |
旅費については,今年度は国際会議及び国内の学会で発表することで,研究成果を公表する.また物品については,プロジェクタでは不十分な点があることから,今年度は早急に購入を行う予定である.
|