研究課題
平成29年度には多数の数学の動画を作成し、勤務校での授業で実際に使用して改良を重ねた。3年生対象の線形代数の授業では、1次変換の動画を作成した。授業で使用している教科書の例題や練習問題を日本語で解説する内容の動画である。授業はパソコン室で一人一台の環境で行った。まず教科書の例題を動画を見て学習し、その後練習問題を解かせた。解答についても動画で提供した。授業以外でも、放課後や通学時に個人所有のスマートフォンで動画を見て勉強することができるように動画はホームページで公開した。これらの動画は現在でも URL http://www.ge.kochi-ct.ac.jp/~ktakagi/ で見ることができる。これらの動画はいろいろな端末で見られるように、Windows media file 形式とMP4形式の2種類を提供した。また、動画を作成する過程で使用したアプリ(スマートフォンで利用できるもの)も同時に公開している。作成した動画については、学生の意見を聞いて内容に改良を加えた。2年生対象の授業では一人が一台づつタブレット端末を利用して同様の授業を行った。研究成果は日本数学教育学会などの学会や和歌山で行われた第43回全日本教育工学研究協議会全国大会などで発表した。作成した動画はDVDにしてこれらの会場で大学や高等学校の教員に配布し、大変好評であった。
2: おおむね順調に進展している
平成29年度にも多数の動画教材を作成した。また、作成した教材や行った授業について、学会や研究集会で5件の研究発表を行った。作成した動画はDVDにして会場で配布した。動画教材についてはホームページで公開して他の学校の教員や生徒が自由に利用することができるようにしている。動画教材は当初は日本語音声のもののみであったが、英語表記・日本語音声のものも作成し、実際に授業で使用している。
平成30年度は研究期間の最終年度となる。これまでに作成した教材は2次元のものも数多く含まれていた。今年度は3次元の動画を中心に作成して授業で使用してゆく。研究計画をたててから3年間が経過したが、その間に技術が進歩し、それに伴って社会も変化している。今や高校生がスマートフォンで動画を見ながら数学を勉強することは珍しいものではなくなってきた。そして新しい技術も広く社会に普及しつつある。具体例を挙げると、家電量販店ではVR(virtual reality:仮想現実)の端末が数多く販売されており、ゲームだけでなく教育への利用も始まっている。また、モンスターを捕まえるゲームの世界的な流行を通してAR(augmented reality:拡張現実感)という概念も広く広まった。このような社会の新しい動きに対応するため、今年度はMR(mixed reality:複合現実感)を利用した数学の動画を作成してゆきたい。MRはARが進化したものである。例えばモンスターを捕まえるあのゲームでは、モンスターに近づくことはできない。MRでは自分からモンスターに歩み寄ったり、色々な角度から眺めたりすることができるようになる。この技術を使って様々な立体や3次元のグラフの様子を色々な角度から詳細に眺めて理解を深める内容の動画を作成してゆく。作成した動画についてはこれまでと同様に、学会での発表、DVDでの配布、ホームページでの公開を行う。
物品費については業者の納入価格を事前に正確に知る事ができないため多少の誤差が生じた。この556円については次年度に物品を購入する際に合わせて使用する。
線形代数の授業で使用する事を目的として1次変換の動画を作成した。学生が授業中以外にも見ることができるようにweb上に公開し、現在もそのまま公開を続けている。授業で使用している教科書の例題や練習問題を動画で解説している。JavaScriptを使って動画の中で色々なオブジェクトを動かしているが、このプログラムや、動画を作成する過程で使用したアプリ(スマートフォンで利用できるもの)も同時に公開している。
すべて 2018 2017 その他
すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (5件) 備考 (1件)
International Journal of Social, Bihavioral, Educational, Economic, Business and Industrial Engineering
巻: Vol:11, No:4 ページ: 841,845
http://www.ge.kochi-ct.ac.jp/~ktakagi/