研究課題/領域番号 |
16K00994
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研究機関 | 有明工業高等専門学校 |
研究代表者 |
竹内 伯夫 有明工業高等専門学校, 一般教育科, 准教授 (70413870)
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研究分担者 |
酒井 健 有明工業高等専門学校, 一般教育科, 教授 (70290830)
鮫島 朋子 有明工業高等専門学校, 一般教育科, 准教授 (40413869)
森田 恵一 有明工業高等専門学校, 教育研究技術支援センター, 技術専門職員 (90649683)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2020-03-31
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キーワード | 超伝導 / 円形コイル / ソレノイド / 長岡係数 |
研究実績の概要 |
平成28年度は速度制御が可能な超伝導コースターを作成するための基礎研究として、ネオジム磁石をコイルによる電磁石に交換して実験する手法を試すことにした。 高校の物理の教科書において円形コイルおよびソレノイドにおける磁場の強さの式が掲載されているが、実際にコイルやソレノイドを作成して磁場を測定すると、与えられた式の通りに従う場合と明らかに従わない場合があることが判明した。そこでコイルの芯にする材質や長さ、銅線の巻き数などを変えて実験を行い、それぞれの特徴を調べた。その結果、磁場の大きさは、円形コイルの巻き数やソレノイドの長さによって、円形コイルの式に従う場合とソレノイドの式に従う場合の2つのパターンがあること、すなわち、似たようなコイル形状でも芯の直径が大きくて長さが短い場合は円形コイルの式に、直径が小さくて長さが長い場合はソレノイドの式に従う傾向があることが分かった。 また、教科書で与えられている磁場の式は芯の長さを無限大にした大胆な近似式であるため、本研究では専門書に掲載されているアンペールの法則から長さが有限の場合のより実践的な式を導出し、実験結果と比較した。今後はプローブの形状を工夫して地場の測定を行い、長岡係数と比較していく予定である。 なお、研究は課題研究受講学生と行い、1年間の研究成果は2017年日本物理学会Jr.セッション(発表番号18JPSB-03)および国際学会Science Castle 2017 in Singapore(発表番号P-11)において公表した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本年度はネオジム磁石の代わりに円形コイルおよびソレノイドによる電磁石を導入する予定であったが、ネオジム磁石と同等の磁場の強さを示すためには、想定以上の巨大なコイルや大電流が必要になることが判明した。引き続き円形コイルおよびソレノイドによる磁場生成の研究を行いつつ、マイクロコンピューターで電流を制御して、超伝導コースターの速度を調整する機構の開発を進めていく予定である。
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今後の研究の推進方策 |
平成29年度は円形コイルやソレノイドの磁場の分布の測定、円形コイルやソレノイドの特性を利用して、より強力な電磁石を作成することやマイクロコンピュータ「Aruduino」を用いて電流を制御しながら同時に磁場の大きさの制御を行うことを予定している。 特に簡単な制御を理解するために、超伝導でなく、通常の電磁誘導によるリニアモーターカーを製作し、「Aruduino」を用いて電流制御する方法を確立する。超伝導に絡めた研究は平成30年度以降に実施する。
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次年度使用額が生じた理由 |
物理教育のため、課題研究として学生と一緒に研究を遂行しているが、希望者数が年度によって一定でない。平成28年度は参加学生が少なかった影響で研究費に差額が生じた。また、学会が3月末にあり、旅費は4月支払いとなるため、年度内に執行するのが難しい状況であった。
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次年度使用額の使用計画 |
平成29年度の課題研究受講学生者数に応じて柔軟に対応する予定である。特に研究旅費は人数によって大きく影響を受けるので、基金として上手に活用したいと考えている。
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