研究課題/領域番号 |
16K00997
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研究機関 | 文部科学省科学技術・学術政策研究所 |
研究代表者 |
浦島 邦子 文部科学省科学技術・学術政策研究所, 科学技術予測センター, 上席研究官 (30371008)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2020-03-31
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キーワード | リベラルアーツ / 工学部 / イノベーション |
研究実績の概要 |
本研究は、現在いくつかの大学で実施されているものとは違う、これからの工学部におけるリベラルアーツ教育に関する施策について検討することを目的として実施している。1-2年目は、各種データの分析及び国内外の現状把握を主に実施し、2-3年目は海外の実態を把握することを目的に、カナダの大学5大学、ポーランドおよびイタリアの大学を対象に調査した。また以前得た重要をさらに深堀するために、再度関係するカナダの大学を訪問し、インタビューやディスカッションを実施した。 その結果、ポーランドやイタリアの大学では、EUのフレームワークでの教育システムがベースにあり、英語力、基礎力強化のための数学やIT技術の向上に寄与するカリキュラムが増えている。また、就職を念頭に、社会に役立つ人材育成を主眼にプログラムが組まれ、インターンシップといった実際に行動して学ぶスタイルが多く、こうした取り組みは、企業からも評価されていることが分かった。 大学入学前にすでに自分の将来像や、社会に対する考え方や労働に対してモチベーションを高く持った学生が、こうしたカリキュラムを選択する傾向にある。リベラルアーツ教育を受けたものは在学中に起業し、より社会との接点を早く持つものも多い、ということも把握できた。 一方で、我が国でもリベラルアーツの重要性に気付き、学部生を対象とした基礎教科として、「デザイン思考」に関する授業が増加傾向にある。実績としてすでに事例がある東工大のように、工学系の学生に対してのリベラルアーツ教育は、「社会人力」を養成するには大変有効であることも分かった。 こうした取り組みを通じて、今年度は海外におけるリベラルアーツ教育の工学部での教育の在り方や、イノベーションを推進するための施策について、具体的なある程度のイメージを把握することができた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
平成30年度は北米における実態調査並びに分析を行うことを目的にしていたが、当初予定していた外国機関の担当者が異動となったために、参加予定の会議が延期となり、さらに再調整に時間がかかった。
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今後の研究の推進方策 |
よって、補助事業期間を1年延長し、成果を国際会議で発表するとともに、欧州での調査を追加し、より充実した研究成果にする。
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次年度使用額が生じた理由 |
平成30年度は北米における実態調査並びに分析を行うことを目的にしていたが、当初予定していた外国機関の担当者が異動となったために、参加予定の会議が延期となり、さらに再調整に時間がかかった。よって、補助事業期間を1年延長させていただき、2019年度の国際会議で発表するとともに、欧州での調査を追加し、より充実した研究成果にするために、未使用額はその経費に充てることとしたい。
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