近年,欧米でSTEAM教育が隆盛を示しつつあるが,理科におけるものづくり活動のねらいには,STEAM教育でめざす考え方と通底する部分がある。それは,目前の仮想的な課題を解決するために,学習者が模型を製作し,製作物の中に科学的原理が応用されている箇所を確認したりすることである。 本研究では,日本の理科におけるものづくり活動の系譜を概観し,ものづくりの位置付けを明らかにした。また,科学と技術的内容の融合を積極的に取り入れたアメリカの科学スタンダードや教育プログラムを分析し,技術的内容の扱いや指導方法の特質を明らかにした。得られた知見をもとに,ものづくり活動の充実に向けた示唆をまとめた。
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