研究課題/領域番号 |
16K01017
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研究機関 | 大阪教育大学 |
研究代表者 |
石川 聡子 大阪教育大学, 教育学部, 教授 (30314438)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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キーワード | SSI / 評価 / 意思決定 |
研究実績の概要 |
2016年12月15日、16日に韓国・釜山大学において開催された"Asia History, Philosophy of Science & Science Teaching Conference 2016"において、"SSI in Japan: The lack of “uncertainty” as NoS"という題目でポスター発表をおこない、当該年度の研究成果をまとめた。 日本の科学教育において、社会における科学技術のあり方についての判断、評価、意思決定を学習者におこなわせるSSI(socio-scientific issues)が普及しにくい状況についての分析をおこなった。そもそも学習指導要領が土台にする科学観の検討をおこなう必要がある。すなわち、学習指導要領における科学観は「実証性」「再現性」「客観性」で説明されている。しかしながら、現代社会における科学技術のあり方をめぐるさまさまな問題や課題においては、科学知識の不確実さがその評価や判断に不可欠なものであり、学習者がSSIを学習する際には、科学知識の不確実がを習得させる必要がある。国立教育政策研究所による「科学技術と人間」の指導と評価例について、この科学観に着目して分析をおこない、科学観の見直しについて言及するとともに、学習者の意思決定を評価するための評価規準についても、アメリカのSSIの先行研究と比較をおこないながら、科学的根拠のデータの質の評価やデータの情報源の信頼性に関する評価規準の充実の必要性について論じた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
昨年度は研究課題に関わる理論のサーベイおよび日本の科学教育研究における現状分析をおこなった。今年度はそれらの成果にもとづき、実践的な研究を実施し、メタ分析をおこなう計画である。
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今後の研究の推進方策 |
今年度は実証的研究の実験計画を作成し、それに基づいて研究を実施し、過年度の研究実績と合わせてメタ分析をおこなう方針である。
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次年度使用額が生じた理由 |
ヨーロッパにおいて開催される国際学会に参加の計画を立てていたが、本務の会議等と重なる出席することができず、そのための旅費の支出が発生しなかった。
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次年度使用額の使用計画 |
今年度は海外の先行研究の情報収集のために直接経費の支出を計画している。
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