本研究では、大学における教育、研究活動(卒業論文、修士論文指導)においてIoTに関する様々な知識をもとにした教育コンテンツを制作し、グループワークによりIoTの事例製作の協働学習を通してIoTシステムを自ら構築できる能力を身に付ける。また、協働学習により開発したIoT教育コンテンツの動作検証と機能確認を行う。 IoTはインターネットなどのネットワーク技術、情報基盤プラットフォーム構築技術、センサ、無線通信端末やマイコンなどのハードウェア技術など広範な知識が必要となる。大学では、IoTに関する要素技術の修得と教育コンテンツの開発手法について明らかにする。 平成28年度は第13回神奈川産学チャレンジプログラムに応募し、研究テーマ「IoTを活用した新しいソリューションの提案」に取り組み、IoTの事例調査をもとに1.満員電車の混雑によるストレス改善提案、2.気象条件を考慮した洗濯物自動取り込みシステムの提案を行った。卒業研究ではIoTのシステム事例としてRaspberry Piを用いた野鳥観察の動画撮影システムを製作した。 平成29年度は卒業研究としてベビーカー内の温度を計測し、クラウド上に温度データを保存して母親のスマートフォンで管理できるシステムを構築した。8月、9月の猛暑時に地表近くの気温が上昇することを検証した。また、IoTにより高齢者などが転倒したときに加速度データの他に画像データを同時記録できるシステムを製作した。転倒時の周囲の様子を画像データとして保存できるシステムを構築し、動作検証を行い、被験者のアンケートから有効性を示すことができた。
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