研究課題/領域番号 |
16K01054
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研究機関 | 独立行政法人高齢・障害・求職者雇用支援機構職業能力開発総合大学校(能力開発院、基盤整備センター) |
研究代表者 |
菊池 拓男 独立行政法人高齢・障害・求職者雇用支援機構職業能力開発総合大学校(能力開発院、基盤整備センター), 能力開発院, 准教授 (20744775)
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研究分担者 |
大野 成義 独立行政法人高齢・障害・求職者雇用支援機構職業能力開発総合大学校(能力開発院、基盤整備センター), 能力開発院, 教授 (60648905)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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キーワード | 職業訓練 / 技能科学 / 熟練技能 / 技能五輪 |
研究実績の概要 |
ものづくりのグローバル化の中で、これまで継承されてきた「熟練技能」の評価基準が大きく変容しており、新たな熟練技能の継承問題が生まれている。これを解決しうる新たな職業能力開発プログラムの要件を定義し、卓越した熟練技能者の国際的な競技大会である技能五輪国際大会(以下、国際大会)での訓練における実証研究を行った。国際大会で日本選手が6大会連続で金メダルを獲得している情報配線施工職種の職業能力開発プログラムを詳細に分析、そのノウハウを明らかにし、一般モデル化を試みた。そして、これを研修等を通じて複数の他職種における実際の国際大会の選手育成に適用して、検証を行った。その結果、開発したモデルが他職種でも効果的に訓練し得ることが示された。さらには、国際的評価基準に適合した熟練技能の作業要素を抽出する等、新たな熟練技能に対応した職業能力開発プログラムの要件を抽出した。この一つとして、熟練技能の在り方について整理した。近年の急速なグローバル化、IT技術の進展、それらを受けた我々の生活環境・様式の変化は、職業そのものの在り方を変え、熟練技能の定義さえも変化させており、これら変化への対応の遅れが、我が国の国際大会の成績不振の原因の根本にあると考えられる。現在は、日本が得意としてきた技能者の「技の精度・緻密さ・正確さ」はあまり重要視されず、むしろ、積極的にICTや自動機械を使用して複合的に職務を行う技能、が求められている。つまり、ICT 技能と知識社会で必要な革新を経て旧態依然のものから現代的職種へ、 単独的な職種から複合的な職種への変化である。これらの新しい熟練技能の形を「グローバル型熟練技能」と定義して、国際的な職業能力評価基準により技能の活用する領域を広げ一職種長期訓練から脱却しなければいけない必要性を明らかにした。
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