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2017 年度 実施状況報告書

博物館に保管されたボーリング標本で展開する大都市地域における地学・防災総合教育

研究課題

研究課題/領域番号 16K01055
研究機関大阪市立自然史博物館

研究代表者

石井 陽子  大阪市立自然史博物館, 学芸課, 学芸員 (90300970)

研究期間 (年度) 2016-04-01 – 2020-03-31
キーワード地学教育 / ボーリング標本 / 博学連携 / 貸し出し教材
研究実績の概要

博物館所蔵のボーリングデータのデジタル化及び標本調査を行い、大阪平野地下に分布する第四系の層序と地質構造を検討した。その成果にもとづき、ボーリング標本を用いた博物館普及行事の実施、学校向け貸し出し教材の開発・運用、展示での成果の公表を行った。
実施した博物館普及行事は、ジオラボ「ボーリング資料を使って地質断面図を描く」(2017年12月9日実施)である。室内実習「平野の地下の地層の調べ方」を2017年10月29日に計画して準備を行ったが、台風の暴風雨により中止となった。
2017年度にボーリング標本の貸し出しや、地質断面図の作成によって授業支援を行った対象は、小学校4校、中学校1校であった。大阪市立本田小学校において、ボーリング標本や貸し出し補助教材の「大阪平野の古地理図セット」を使用した公開授業が行われた。また、教員と協力して教材開発や指導案作成を行った豊中市立第十五中学校でも、ボーリング標本やデータを用いた公開授業が行われた。豊中市立第十五中学校でのボーリング標本を中心とした貸し出し教材の開発・運用および中学校を対象とした地学教育支援の実践について、日本地質学会で報告を行う予定であったが、台風で中止となった。
研究成果を元に、2017年12月16日~2018年1月26日の間に自然史博物館で行った「博物館の学校向け貸出資料」展に、ボーリング標本を中心とした貸出教材を展示した。2018年3月に部分更新を行った第2展示室「地球と生命のの歴史」の前半部分にも、ボーリング標本調査の成果を反映させた。
博物館教育研究会や第四紀学会のシンポジウムを聴講し、他の博物館の学校向け教育プログラムの状況や、ジオパークでの学校連携の実践の状況について、情報収集を行った。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

4: 遅れている

理由

博物館学芸員としての通常業務の繁忙に加え、常設展の部分更新作業が加わり、当初に想定していたようには時間と労力をかけて研究課題に取り組むことができなかった。毎年継続的に行っているボーリング標本の貸し出し教材としての運用や、教材を活用した教員への聞き取りなどの最低限の作業を行うことができたが、当初計画していた小中学校の理科・社会科の学習内容の分析、火山灰分析や貝化石の分析などが大幅に遅れてしまった。

今後の研究の推進方策

今年度の前半の計画を作成し直した。これまでに活用してきた学校向け貸し出し教材の「河原の石ころ」は、大阪周辺の河川の流域毎に作製されたものであったが、小学校向け、中学校向け、高校向けに再編する作業を、8月上旬に予定されている「教員のための博物館の日」までに行う。「教員のための博物館の日」では、再編された「河原の石ころ」教材を用いた実習を計画している。これを実現するために、研究組織の見直しを行い、新たに研究分担者に加わってもらうことで同意を得ている。
2018年12月または2019年1月には、地学教材の研究会を予定している。

次年度使用額が生じた理由

(理由)博物館学芸員としての通常業務に加え、常設展の部分更新作業が加わり、当初予定していたようには課題研究に時間と労力をかけることができなかった。特に、貝化石の分析用試料の選定が進まなかったために、作業補助者の雇用ができなかった。また、年代測定用試料の選定が出来ず、委託を行うことができなかった。
(使用計画)研究計画の見直しを行った。「河原の石ころ」の貸し出し標本作製を年度の前半に行い、標本の採集、切断、研磨のための作業補助者を雇用するなどして、作業を進める。研究分担者を増やす。年度の後半には、「地学教材の研究会」を行う。

  • 研究成果

    (6件)

すべて 2018 2017

すべて 雑誌論文 (5件) 学会発表 (1件)

  • [雑誌論文] 小難しい学芸員のやさしい小咄 地層の中から「層になっていない火山灰」を探す話2018

    • 著者名/発表者名
      石井陽子
    • 雑誌名

      Nature Study(大阪市立自然史博物館)

      巻: 64 ページ: 6

  • [雑誌論文] 続・平野の地下に埋もれた台地:さらに東の門真市ではどうなっている?2018

    • 著者名/発表者名
      石井陽子
    • 雑誌名

      Nature Study(大阪市立自然史博物館)

      巻: 64 ページ: 2-4

  • [雑誌論文] 平野の地下に埋もれた台地:大阪市旭区のボーリング標本から分かったこと2017

    • 著者名/発表者名
      石井陽子
    • 雑誌名

      Nature Study(大阪市立自然史博物館)

      巻: 63 ページ: 58-61

  • [雑誌論文] 博物館所蔵ボーリング標本を用いた学校向け貸し出し教材の開発・運用による地学教育支援2017

    • 著者名/発表者名
      石井陽子
    • 雑誌名

      全科協ニュース

      巻: 47(4) ページ: 7-8

  • [雑誌論文] 表紙の写真「セントへレンズ火山」2017

    • 著者名/発表者名
      石井陽子
    • 雑誌名

      Nature Study(大阪市立自然史博物館)

      巻: 63 ページ: 153、160

  • [学会発表] 博学連携によるボーリング標本を用いた中学校を対象とする授業実践2017

    • 著者名/発表者名
      石井陽子・宮本渉
    • 学会等名
      日本地質学会第124年学術大会(愛媛)

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公開日: 2018-12-17  

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