研究課題/領域番号 |
16K01057
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研究機関 | 宇都宮大学 |
研究代表者 |
青木 恭太 宇都宮大学, 工学(系)研究科(研究院), 准教授 (00125808)
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研究分担者 |
小田部 夏子 国際医療福祉大学, 保健医療学部, 助教 (20406242)
原田 浩司 宇都宮大学, 教育学部, 准教授 (40738168)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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キーワード | 運動調節機能 / 小学生 / 発達状況 / 計測実験 / 発達障害 / 手と目の協応運動 / 発達性協調運動障害 / 客観数値評価 |
研究実績の概要 |
本研究は,小学校入学前から中学校における協調運動調節機能発達状況を数量的・客観的に明らかにする.これにより,知能とは異なる発達側面の客観数値発達指標を与え,発達途上の児童生徒の教育・指導・研究に新局面を開くことを目的としている. 小学校全校生徒(約400名)の運動調節機能計測・評価を2016年7月と2017年1月の約6か月の間隔をおいて,2回実施した.計測・評価より,女子の運動調節機能の発達は,月齢130ヶ月を超えると低下すること.月齢130ヶ月以下の女子は男子よりも発達が良好であり,その差は21ヶ月に相当するとこと.などを明らかとした.男子および女子の運動調節機能発達状況年齢を与える線形予測式を示した. これにより,小学生の運動調節機能(脳全体の総合性能と強い相関を持つのではと推定している)の発達状況を教師に利用しやすい形式で評価できるようになった.また,計測実施校へは,運動調節機能計測による推定発達年齢を還元して,その利用についての検討を開始した. 複数の小学校において,年に複数回の運動調節機能計測を行う基盤を確立した.これにより今後数年にわたり,運動調節機能の個別発達状況を計測・評価しコホート的に解析することが可能となった.これは,研究発表に現時点でつながっていないが,貴重なデータの集積が行え,今後の研究発展への重要な成果である. 将来データを有効に利用するための方策の検討を開始した.前項で述べたように,大規模なコホート的データ収集を開始できたので,このデータを保全し,利用し,公開する方策の検討を開始し,現時点では5年後に匿名化したデータを公開し,多くの研究者・教師などの利用に供することを企画した.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
1: 当初の計画以上に進展している
理由
計画では,小規模小学校1校と児童数200名程度の小学校1校の計測を計画していたが,児童数約400名の小学校において6か月の期間をおいて2回の計測を実施することができた.計測対象者数が約400名となったことにより,詳細な発達状況の把握,男女差の把握が可能となり,その結果を国際会議においてすでに発表した. また継続して年3回程度の全校生徒計測を実施する基盤を確立することができた.2回の大規模計測の結果から,詳細な男女の発達状況の差異を明らかにした.(国際会議発表予定)
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今後の研究の推進方策 |
中学校における計測の実施には至っていないので,計測小学校ど同一の学区で協力校の勧誘に努力する. 大規模計測において,視線計測は負荷が大きいので,大規模計測における視線計測は実施しない.
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次年度使用額が生じた理由 |
国際会議出席経費が予想よりも少額で賄えたため。
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次年度使用額の使用計画 |
より積極的に国際会議などに参加する。
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