研究課題/領域番号 |
16K01057
|
研究機関 | 宇都宮大学 |
研究代表者 |
青木 恭太 宇都宮大学, 工学部, 客員教授 (00125808)
|
研究分担者 |
小田部 夏子 国際医療福祉大学, 保健医療学部, 助教 (20406242)
原田 浩司 宇都宮大学, 教育学部, 准教授 (40738168) [辞退]
|
研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2020-03-31
|
キーワード | 運動調節機能 / 発達状況 / 脳機能 / ADHD / 学年差 / 性差 |
研究実績の概要 |
本研究は,小学校入学前から中学校における協調運動調節機能発達状況を数量的・客観的に明らかにする.これにより,知能とは異なる発達側面の客観数値発達指標を与え,発達途上の児童生徒の教育・指導・研究に新局面を開くことを目的としている. 児童・生徒の発達状況の詳細をより詳細に把握するために1小学校において全児童の運動調節機能の計測を各学期の初めに合計3回実施した.さらに,脳機能の詳細を分析するために,脳機能の部分的な障害として認知症およびパーキンソン病の2大神経疾患患者を対象として,運動調節機能の計測を実施することができた. 小学校における計測数は,1000を超え,統計的に解析が可能となっている.統計的解析により小学校における運動調節機能の発達状況の概要が明らかになった.1年生から3年生における男女差が存在する.女子では,4年生以降で運動調節機能の発達が停滞する.男子は,1年生及び2年生で同学年群の中での差異が大きい.などの結果を得た. 小学生において,注意欠陥多動性障害傾向を持つ生徒を運動調節機能の安定性から判定可能であることを発見した.注意欠陥多動性障害傾向を示す生徒では,15秒間の極めて短い協調運動調節機能の客観評価計測においても,注意が失われる状況が客観的に計測されている.また,パーキンソン病患者に対するL-dopa (パーキンソン病の治療薬)投与前後に協調運動調節機能の客観評価方式により計測したところ,L-dopaの薬効を明確に定量的・客観的に評価できることが明らかとなった. 以上の成果より,読書・書字困難生徒などの機能的な困難を抱える生徒の状況を客観的・数量的に評価し,支援する可能性が明らかとなった.
|