2018年度に実施した調査結果を踏まえ、より現場職員にも利用しやすい教材の改訂を行った。具体的には、(1)事前に1人で考える時間を持つ方が、その後の討議が活発に行われる傾向がみられたため、注意が必要な場面等について討議前に自分1人で考え、内省を深める機会をもてる教材とすること、(2)集団討議で検討対象とする交通場面について、従前の教材は注意を向けるべき場所が漠然としており、議論も散漫になる傾向がみられたので、比較的注意すべき対象が明確な場面(歩行者、障害物など)とした。なお、議論の手掛かりとなる交通場面の写真がないと発話も少なくなる傾向がみらえたため、具体的な場面を教材として提示することとした。(3)文字で描写することに負担を感じる、また記入する場所が多いと、文字の書き方や書きぶりという本筋と異なるところに発言が集中しがちという現場職員の意見がみられたので、討議中のメモは最小限としつつ、振り返り(自分の自覚としてできていること、できないないこと)だけは記入してもらう形とした。 また、集団討議の前後に記入してもらうことで、安全確認に対する意識の変化、特に自分の行動に関する自覚の度合いを測定する質問紙を作成した。 これら、修正した教材の本試行、質問紙の実施および教育の効果把握のため、2020年2~3月に協力会社で現地調査を予定していた。しかし、新型コロナウイルス感染拡大防止に向けた移動自粛、集会自粛要請が出され、協力会社からも延期の要請があり、これらの調査は2019年度中に実施することを断念せざるを得なかった。
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