研究課題/領域番号 |
16K01064
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
田口 真奈 京都大学, 高等教育研究開発推進センター, 准教授 (50333274)
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研究分担者 |
福田 宗太郎 京都大学, 高等教育研究開発推進センター, 特定研究員 (20761878) [辞退]
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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キーワード | アクティブラーニング / 教授法開発 / 授業デザイン / 実践知の可視化 |
研究実績の概要 |
本研究の目的は、アクティブラーニングの実践が進んでいない人文系科目において、特に経験の浅い大学初任教員の支援となるようなプログラムを開発し、当該プログラムで得られた教員が利用可能なツールや実践で得られた実践知を蓄積・共有することである。 平成27年度より、京都大学文学研究科プレFDプログラム修了者によって、公益財団法人大学コンソーシアム京都における単位互換科目「人文学入門」を対象としたプレFDプログラムが試みられている。これは、担当講師たちがシラバス作成から行い、かつ、アクティブラーニング型授業を多様な大学の受講生に対して実施するものである。 平成29年度は、昨年度に引き続き、この授業実践を対象として、すべて参与観察を行い、特に初任教員にとって、アクティブラーニング型授業をデザインする際に困難となる点を明らかにし、新たに、「アクティブラーニング型授業のためのマトリックス」を開発した。また、平成28年度実践をもとに、コースデザインと授業実践を含むプレFDプログラムとしての特徴を明らかにした。受講生への事後アンケートからは学生たちが授業に対して満足していたことが、また担当講師へのインタビューからはアクティブラーニングに対する認識が変化したことが示唆された。 今後は、プレFDプログラムとしての効果と限界を明らかにするとともに、新たに開発したマトリックスを改良し、ウエブ上での共有に適した形を検討していく。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
昨年度に引き続き、この授業実践を対象として、すべて参与観察を行うとともに、平成28年度実践をもとに、コースデザインと授業実践を含むプレFDプログラムを開発し、論文にまとめた。また、本プログラムで得られた実践知をもとに、新たに、「アクティブラーニング型授業のためのマトリックス」を開発し、平成29年度から試行的に適用している。さらに、人文系科目には限らないが、ICTを活用した授業実践についても新たに参与観察を行い、授業デザインの際に必要となる視点に関して示唆を得ることができた。 しかしながら、特にウエブコンテンツ化するためのコミュニティ支援において必要な機能の検討が進んでおらず、機能拡張が終了していない。
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今後の研究の推進方策 |
計画段階では平成27年度から3年間の予定であったものが平成30年度以降の授業提供も決定したため、引き続き、フィールドが確保できた。平成29年度に開発したアクティブラーニング型授業のためのマトリックスを平成30年度においても授業を提供する講師たちに適用し、その効果と限界を検証していく。また、平成29年度授業担当講師が、アクティブラーニング型授業の実践を経験したことで、どのように授業が変化していくのかについて、参与観察を行う。これらを通して、改善されたツールや実践知を、より使いやすい形としてウエブコンテンツ化する。
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次年度使用額が生じた理由 |
コミュニティ形成支援のために必要な機能の検討が遅れているため、機能追加に関する費用が未使用であるが、次年度に計上し、使用予定である。
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