研究課題/領域番号 |
16K01065
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
江原 康生 京都大学, 学術情報メディアセンター, 特定准教授 (40324686)
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研究分担者 |
後藤 佑介 岡山大学, 自然科学研究科, 准教授 (10551038)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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キーワード | 教育工学 / ヒューマンインタフェース / コンテンツ配信 |
研究実績の概要 |
本研究では,初等中等教育の現場におけるICT活用を円滑に進めるために,大型ディスプレイなどの複数の表示装置の効果的な活用を支援するための基盤技術の開発を行い,実際の授業で活用した上での教育効果について検証を行い、有用性を明らかにすることを目的とする.平成29年度は以下に述べる研究を遂行し,所望の成果が得られている. 初等中等教育のICTを活用したものづくりを行う実習において,従来の片手に持ちながら操作する表示装置の画面コンテンツを操作するためのインタフェース機器では,ものづくりの実習の内容説明時に両手で作業しながら,コンピュータの画面操作をすることは難しい.それを受けて,前年度に設計,実装を行った片手に装着可能な画面操作用インタフェースを用いて,実習授業での検証評価を行う中で,長時間に及びものづくりを行う実習を行った際に教員の疲労感が伴う問題が生じることが明らかとなった.これらの問題を解決するために,片手に装着して長時間使用した際でも,疲労感を軽減可能な新たな画面操作用インタフェースを提案し,設計及び実装を行った. 放送型配信において,実際のネットワーク環境でスケジューリング手法を評価可能な配信システムを実現した.実現方式では,データの配信契機を同期する方式,および逐次再生に対応するデータ配信方式の2種類を実装した.システムの有用性に関する評価の結果,スケジューリング手法に応じた再生待ち時間および中断受信時間の短縮効果を確認し,システムの有用性を示した.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
初等中等教育のICTを活用したものづくりを行う実習を円滑に実施できるために必要な要件を満たした画面操作用インタフェースの設計及び,実習を通した評価において更な改善点を見出すことでの機能面の向上に着手できた点,さらにコンテンツ配信において,実際のネットワーク環境でスケジューリング手法を評価可能な配信システムを実現できた点.
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今後の研究の推進方策 |
画面操作インタフェースの機能向上を目指して,教育現場の教員による試用評価を行うことでさらなる知見を得ることで新たな設計,実装を継続的に行う.さらに実際のICTを活用したものづくり実習で本インタフェースを活用し,生徒とのコミュニケーションや教育効果の観点からの評価分析を行い,本研究における提案技術の有効性について検証を行う. 複数の表示装置の利用を想定した教材データコンテンツの配信技術の検証として,実装を行ったシステムを用いた検証実験を行う. 複数の大画面表示装置の効果的な活用手法について,様々な教材コンテンツの自由な配置,サイズによる同時提示を行える環境を構築し,効果的な教材コンテンツの提示,操作方法について検討を行う.
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次年度使用額が生じた理由 |
購入予定の物品を既存の物品で代用できたことと,予定していた国内外開催の学会での発表を取りやめたため,次年度使用額が生じた.
これらは次年度の国内外開催の学会に参加するための旅費,参加費,さらに研究成果の論文投稿費として使用する予定.
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