研究課題/領域番号 |
16K01070
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研究機関 | 熊本大学 |
研究代表者 |
久保田 真一郎 熊本大学, 総合情報統括センター, 准教授 (80381143)
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研究分担者 |
松葉 龍一 熊本大学, 教授システム学研究センター, 准教授 (40336227)
宮崎 誠 畿央大学, 教育学部, 特任助教 (60613065)
平岡 斉士 熊本大学, 教授システム学研究センター, 准教授 (80456772)
仲道 雅輝 愛媛大学, 総合情報メディアセンター, 講師 (90625279)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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キーワード | ポートフォリオ / S-P表分析 / アダプティブラーニング |
研究実績の概要 |
eポートフォリオを利用した学習は,学習過程において高度な学習スキルを必要とすることから,大学初年次の学習者には適切な学習支援が必要である.多様な学習者ひとりひとりに対して適切に学習支援を行うために,時系列で学習者の状況を把握し,状況に合った支援を設計する必要がある. 本年度の成果は,(1)eポートフォリオを利用した学習における学びの状態を把握するためのチェックリストの開発,(2)S-P表分析を利用した学習状況が同一の学習グループ構成手法を開発,(3)(2)の学習グループを構成するためのシステム開発,の3点に注力した. (1)に関しては,eポートフォリオを利用した学習における学びの状態を把握するためのチェックリストの開発に着手し,eポートフォリオを活用する授業において,実際にチェックリストを公開し,学習者にチェックリストを使用してもらう実践を行った.また,チェックリストはルーブリック開発の初期段階と位置づけており,チェックリストの改善およびルーブリックへの拡張を検討した.(2)については,チェックリストの結果から学習者の状況を把握するためにS-P表分析を利用するため,S-P表分析によって同一の状況と予想される学習者群に分ける手法について検討した.通常のS-P表とは異なり,ルーブリックでは,いくつかのレベル値での入力となるため,順序尺度を扱ったS-P表の構成手法,およびグループ化手法について検討し,仮の方針を決定した.(3)については,S-P表分析による学習者のグループ化を容易にするため,システム開発に着手し,システムとして,学習者の入力にあわせて動作するよう,LMSに入力されたルーブリック評点をもとに動作するシステム構成についても検討した.学習者の状況に合わせて,どのような支援を行うかの文献調査も並行して行った.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
eポートフォリオを利用した学習における学びを測定するルーブリック表を構成するための初期段階として,チェックリストを開発し,授業実践したが,結果を発表するまでに至っていない.また,LMSの入力をもとにS-P表分析を実行するための仮システムを開発したが,形成的評価を行い,改善するに至っておらず,こちらも成果を発表するまでに至っていない.以上のことから,進捗は遅れていると判断した.
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今後の研究の推進方策 |
eポートフォリオを利用した学習における学びを測定するチェックリストを開発し,授業実践した結果について早急に発表を行い,公表する.また,チェックリストの改善およびルーブリックへの拡張を進め,授業実践を行う.ルーブリックの入力結果をLMS経由で取得し,学習者を自動的にグループ化するシステムの開発を完了し,学習者グループごとにどのような学習支援が必要か,先行研究の事例をもとに授業実践を行う.
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次年度使用額が生じた理由 |
チェックリストの開発および実践を行った成果を国際会議にて発表予定であったが発表に至っていないため,残が生じた.現在,研究発表を計画中であり,執行の見込みである.次年度予算については,システム開発に関する発表およびシステムを利用した教育実践について発表予定である.
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