研究課題
基盤研究(C)
本研究は、小学生の読み書き困難に対する支援プログラムの開発・検証を目的とした。通常学級における児童の読み困難リスクを把握する方法として、本研究の語彙判断作業課題が有効性を持つことを明らかにした。また同課題に基づくプリント教材により、流暢な単語読みスキルが促進されることを確かめた。学習障害児への個別学習支援については、平仮名の読みから文章読解に至る各段階に対応したパソコン教材を構成し、それらの効果を確認するとともに、漢字語彙判断課題の遠隔指導への適用を試行してその有効性を指摘した。
特別支援教育
本研究において、児童の単語読みの速さを集団で評価及び支援する方法が示された点は、学校での教育利用が可能な成果と指摘できる。学習障害児に対する個別支援の実践およびネットワークを介した指導において得られた結果は、学習段階ごとに困難の要因に応じた指導方法の選択を可能にするとともに、遠隔指導による学習機会の拡充につながる成果と言える。これらを本研究の学術的・社会的意義として指摘することができる。